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特集 羽生結弦「自信を手にさらなる進化誓う」

フィギュアスケート 2019年10月28日(月) 午後0:00

フィギュアスケートの羽生結弦選手は、自身の今シーズンのグランプリシリーズ初戦で世界最高得点に迫る自己ベストをマークしました。ことしの世界選手権で敗れたアメリカのネイサン・チェン選手から王座を奪還する光明が見えた一方で、羽生選手は、より高みを目指し、模索を続けていこうとしています。

 

"落ち着いた気持ちでいられるよう意識した"

 

オリンピック2連覇の羽生選手は、25日に始まったグランプリシリーズのカナダ大会に向けて気持ちの高め方にこだわったといいます。

 

カナダ大会 公式練習

 

これまでも時期によって様々な気持ちの高め方を試みていて、ソチオリンピック直後の世界選手権では、感情を解放して、またピョンチャンオリンピックの時は直前まで感情をため込んで本番で一気に出す方法などを行ってきたと言い、それぞれで結果を出してきました。

今大会に向けては気持ちの高ぶりや興奮を抑えて落ち着いた気持ちでいられるよう意識したと言います。

 

 

実際に、今大会での報道陣との受け答えは、落ち着きをまとい、自分に問いかけるかのように冷静な話しぶりだったことが印象的でした。

 

"もっといい景色をみたい"

 

カナダ大会 SP

 

迎えたカナダ大会では自己ベストを更新し、チェン選手が持っている世界最高得点に0.83に迫る322.59の得点で優勝を果たしました。競技後、羽生選手はショートプログラム、フリーともに安定した内容だったことから今回の気持ちの高め方に一定の評価をしました。

 

カナダ大会 フリー

 

ただ、フリーの演技で多くの時間を割いて練習してきた4回転ループでミスをしたことから「この方法で良かったのかわからない。いま、壁が見えているのでこれを乗り越えてもっといい景色をみたい」と話しました。

 

 

チェン選手に20点以上の大差をつけられて敗れた世界選手権から7か月。今大会では、そのチェン選手に一気に迫る得点で、王座奪還へ光明の見えた大会となりましたが、より高みを目指す羽生選手の模索はこれからも続きます。

田谷 亮平

スポーツニュース部 記者 体操、フィギュアスケートなど担当。

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