ストーリーフィギュアスケート

紀平梨花はどう戦う!?NHK杯フィギュアを荒川静香さんが解説

2019-11-20 午後 0:00

11月22日から24日にかけて開催されるNHK杯フィギュアスケート。女子シングルは紀平梨花選手を始め、シニアデビュー1〜2年目の勢いのある選手が多く出場し、混戦が予想されています!一体どんな戦いになるのでしょうか?

 

トリノオリンピック金メダリストの荒川静香さんに、NHK豊原謙二郎アナウンサーが見どころと注目選手を聞きました!

 

昨シーズンよりもレベルアップ!期待大の紀平梨花

10月のカナダ大会で2位の紀平選手

 

特に注目を集めているのが紀平梨花選手!昨シーズン、シニア1年目にしてグランプリファイナルを制しました。

 

しかし、今シーズンのグランプリシリーズ・カナダ大会では自己ベストに迫る結果を出しながらも、4回転ジャンプを跳ぶロシアの15歳、アレクサンドラ・トゥルソワ選手に優勝を奪われました。また、同じくロシアのアンナ・シェルバコワ選手(15歳)も4回転ルッツと3回転の大技を成功させています。

 

カナダ大会後のインタビューでは「4回転ジャンプをコンスタントに跳べる状況を目指したい」と語った紀平選手ですが、今回のNHK杯で紀平選手が4回転を入れるどうかについて、荒川さんは…

 

荒川静香さん(以下、荒川)

「仮に4回転をプログラムに組み込むとすれば、他のエレメンツの配置を見直す必要があります。そうなると、4回転を入れるパターンと入れないパターンとで、練習するものが別に出来てしまうという難しさがあるので、今すぐに組み込むかどうかというのは簡単に決められることではないですね。
それに、今シーズンだけで見れば4回転は必須のように思えますが、紀平選手のようにスケーティング、スピン、ステップ全てにおいて高い評価を得られ、トリプルアクセルをあれだけ精度の高い状態で組み込める選手はそう多くはいません。その持ち味を生かした演技に期待したいですね。」


荒川さんが高く評価する紀平選手のスケーティング技術。今シーズンは昨シーズンよりもさらにレベルアップしているといいます。

 

カナダ大会での紀平選手

荒川

「昨シーズンの紀平選手は、ショートでのトリプルアクセルがなかなか決まらずフリーで逆転勝ちをするという試合が多かったのですが、今シーズンはこれまで出場した試合すべてのショートで決めて、フリーでもトリプルアクセルを2本組み込むことが出来ています。
また、今回はプログラムも独特な世界観になっているので、その中で紀平選手がいかに伝えたいことを表現するかも見どころです。表現力は年齢とともに成長できる部分がたくさんあると思うので期待できますね。」

紀平選手だけじゃない!日本選手の活躍に注目

今回のNHK杯では紀平選手と同年代の2人の日本選手が出場!それぞれの強みや持ち味も解説いただきました。

高いジャンプが持ち味!山下真瑚

 

16歳の山下真瑚選手は、2018年の世界ジュニアで表彰台に上った期待の新星。現在はフィギュアの名門、中京大中京高校に通っています。

荒川

「山下選手はシーズン中ちょっと伸び悩んでいるところがあるのですが、昨シーズンは非常に高いジャンプを駆使した演技が評価され、グランプリシリーズでは表彰台に登っています。
現在の彼女の課題としては安定感のある試合をすること。どの試合でも同じようにミスを極力少なくして挑めるようになるといいと思います。NHK杯までに本来の良さが引き出せるようなコンディションにあるといいですね。」

トリプルアクセルに成功!横井ゆは菜

 

横井ゆは菜選手は2018年の全日本ジュニアの覇者。シニアデビューとなった今シーズン、活躍が期待されています。

荒川

「横井選手はトリプルアクセルを成功させたことがある選手で、ジャンプに定評があります。それに加え、表現力に磨きをかけて今シーズンは大人っぽい雰囲気のイメージにもチャレンジしているので、プログラムも楽しみですね。そこに持ち前のジャンプが入ってくるかどうかが注目ポイントとなります。」

海外選手の注目はやっぱりロシア!

左からザギトワ選手、コストルナヤ選手、サモドゥロワ選手

 

日本選手たちの前に立ちはだかるのが強敵・ロシア勢。今シーズンのグランプリシリーズでは先に紹介したロシアの2選手が4回転ジャンプを決め優勝を飾りました。

荒川

「今シーズンに入って4回転を跳ぶロシアの選手が一気に増えた印象ですが、同じ門下生の選手が小さな頃から4回転を目指して練習してきた結果だと思います。
10年くらい前は、シニアのシーズンまでにトリプルを完成させるという目標だったものが、いまではその目標設定が4回転になっています。
さらに、もともとロシアは人材が豊富ですから、ソチオリンピックに向けて強化した力が育った結果ではないでしょうか。」

 

今回のNHK杯でもロシアからザギトワ、コストルナヤ、サモドゥロワの3選手が出場予定。その中でも大きな実力をもっているのが、ピョンチャンオリンピック金メダリストのザギトワ選手です。

 

11月フランス大会で準優勝のザギトワ選手

荒川

「ザギトワ選手はオリンピックで金メダルを取った後もずっと世界のトップで戦い続けています。オリンピックを集大成として挑み、結果を残して引退をしていくという選手が多い中、彼女はシニアに上がった年で一気に勝ち上がってきました。
オリンピックの金メダルがゴールではなく、スタートだったというのを感じさせてくれるような過ごし方を今シーズンもしていますね。
以前は若さあふれるフレッシュなイメージだったザギトワ選手も、今シーズンは大人の魅力を盛り込んだ素敵なプログラムになっているので、そういった部分にも注目です。」

 

表現力に定評があり、フランス大会で優勝したコストルナヤ選手

 

同じくロシアのコストルナヤ選手も表現力に定評があり、スピンやステップも非常に高い評価を得られる選手だといいます。まさに強敵だらけのロシア勢!そこに日本選手がどう立ち向かっていくのかも見どころです!

ファイナル出場をかけた最後の戦い!NHK杯、勝利のカギは?

荒川

「今シーズンは4回転を跳ぶ選手がいて得点がすごく伸びていますが、その選手とNHK杯に出場する選手たちとではまた違った戦い方が見られるのではないでしょうか。
NHK杯には紀平選手やザギトワ選手、コストルナヤ選手といった4回転を跳ばないながらも、本当に総合力の高い選手たちが出場して争うことになります。」

 

その中で勝利をつかみとるには…?

荒川

「ミスをしない選手が増えているので、大きな技を取り込んでも、ミスをせずにすべてを滑り切る力というのが求められています。
今は大技ひとつに焦点を絞るというのが勝負どころではなく、スピンやステップにおいてもレベルを取りこぼさず、さらに加点を見込んですべての技をいかに重ねていくかというのが重要ですね。」

 

現在、グランプリシリーズのポイントランキングにおいて紀平選手とザギトワ選手は同じ13ポイント。NHK杯は、グランプリファイナルへの切符をかけた重要な試合となります。

 

それだけでなく、日本の選手にとっては特別な試合でもあるといいます。

荒川

「NHK杯は日本で毎年行われる大きな大会として、選手にとっては子どものころから憧れていた大会だと思います。
この大会に出場する喜びをバネにして飛躍したいという思いもあるはずなので、緊張もあるかもしれませんが、日本のホームという暖かさを力にして頑張れるチャンスでもあります。
ぜひ、今大会でいい経験を詰んで欲しいと思います。」

 

グランプリファイナルへの出場をかけた最後の大会。日本選手の健闘を見守りつつ、華麗な演技に注目です!

荒川静香(あらかわ・しずか)

1981年12月29日生まれ。
トリノオリンピックで、ショートプログラム及びフリースケーティング共に自己ベストを更新し、アジア人としてフィギュアスケート女子シングル初の金メダルを獲得。2006年5月にプロ宣言し、本人プロデュースのアイスショー「フレンズオンアイス」、国内及び海外のアイスショーを中心に活動。2013年12月に一般男性と入籍、2014年11月に第一子、2018年5月に第二子を出産。現在は育児と並行して日本スケート連盟副会長を務めるほか、テレビ、イベント出演、スケート解説、オリンピックキャスターなど様々な分野にも精力的に挑戦している。

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