ストーリーラグビー

福岡堅樹選手 現役最後のシーズンへの決意! 「だらだら長くやるよりも短い時間で集中」

2021-02-25 午後 01:45

2月20日に開幕したラグビートップリーグ。日本代表として多くのファンを沸かせた福岡堅樹選手(28)は医師になるという夢を実現するため今シーズンで現役を引退します。最後のシーズンに挑む福岡選手に迫ります。

現役引退へ未練なし

福岡 堅樹 選手

スピードを生かしたトライも取りたいし、自分のイメージ、印象を焼き付けたいと思う。この先、見られることはないので、本当に自分らしい最高のパフォーマンスを皆さんが記憶に残してくれたらうれしい。

 

すがすがしい表情で、最後のシーズンに向けた意気込みを語った福岡選手。未練を感じさせないような受け答えがとても印象に残りました。

積み上げた輝かしい実績

福岡選手は類いまれな実績を積み上げてきた、まだ28歳の選手。その魅力は50メートルを5秒台で走る快足。2015年のワールドカップでは大学生で日本代表入りを果たしました。

 

 

記憶に新しいのは、やはり2019年、日本で開催されたワールドカップでのプレーでしょう。

 

強豪のアイルランドとスコットランドとの試合でトライを奪うなど4つのトライをあげて、日本の躍進に大きく貢献しました。

 

医師は高校時代からの夢

それでも未練なくラグビーの世界から去ることができるのは”医師になる”ことが高校時代からの夢だからです。

 

2021年のシーズンのトップリーグで引退して医学部への進学を目指すことも大学生の時にすでに決めていました。

 

7人制ラグビーでの出場を狙っていた東京オリンピックの延期が決まった時にもその思いは揺らぐことはなく出場をきっぱりと断念しました。

 

福岡 堅樹 選手

僕の中で迷いはなかった。2020年の東京オリンピックという目標があったからこそ、本当に100%の力で頑張ってこれたので、むしろ後悔なく、自分の中では本当にすがすがしい気持ちで次に行けるかなと思っています。

医学部合格 夢への第1歩

2月20日の開幕の日、福岡選手はみずからのツイッターで大学の医学部に合格したことを明らかにしました。

 

夢への1歩を踏み出したことに「多くの方々の助けがあって成し遂げられたと思います。この感謝の気持ちを忘れずに、また新たな挑戦の道を歩んでいきたいと思います」とメッセージを添えて喜びと覚悟を示しました。

 

ただ、ここまでには人知れぬ努力があったのです。

 

 

去年からことしにかけては群馬県でチームのハードな練習に取り組むかたわら、週に3回ほどは都内の予備校に通ってきました。

 

1日に受講するのは1時間半の授業を4つ。数学・物理・化学などの理数系だけでなく、英語も含めて多岐にわたる科目を受講しました。

 

年の離れた受験生とともに机を並べてラグビーとは一転、静かな戦いに身を置いて学力を磨いてきました。

 

ラグビーと勉強 両立のカギは?

トップレベルでラグビーを続けながら、どうやって勉強にも集中できたのか。

 

福岡選手から返ってきた答えはシンプルでした。それは「頭を切り替えること」

 

 

福岡 堅樹 選手

ラグビーをやっているなら100%ラグビーに、勉強なら100%、勉強に挑むという状況を作り上げることを一番大事にしている。勉強しているときに次の試合の対戦相手のことが頭をよぎるということもまったくない。

 

みずからの性格がその鮮やかな”切り替え”を可能にしているのではいかと自己分析もしてくれました。

 

 

福岡 堅樹 選手

1つのことだけを、ずっとやり続けるって言うのが苦手なタイプ。なので目先に違うものがあると、そこに集中してという生き方をしていたことが、切り替えになっているのかもしれない。ラグビーだけしか、やってこなかったら、ここまでラグビーもできていないかもしれない。ラグビーで疲れる部分は、あまり勉強では使わないし、勉強で疲れる部分はラグビーでは使わないので。

 

 

そうは言っても両立は簡単なことではありません。どうしても疲れがたまっている時は「15分間だけ」寝ることで集中力を高めると言います。

 

時間の使い方にもこだわりがあり「だらだら長くやるよりも短い時間ですぱっと集中する」ことが成果を出す秘訣だと考えています。

一度決めたらやり抜く!

ラグビー選手として輝かしい実績を収めながらも、なぜ、医師への道を選ぶのか。そこには一度決めたことをやりぬくという強い覚悟があるからです。

 

 

福岡 堅樹 選手

はじめから医師になると進路を決めてこの道に入ってきたので貫こうと思っていた。ラグビーでの活躍と医師になる夢の両方を自分の中で成し遂げてこそ、自分が本当にやりたい道だと言えると思う。ラグビーだけで完結しないのが僕なりの選択だと思う。

ラグビー人生の集大成の開幕へ

 

開幕前に最後のシーズンにかける思いを聞くと「パナソニックに入って一度も優勝できてないので、最後は笑って終われるのが自分の中では一番うれしいですね」と答えが返ってきました。

 

開幕戦ではトライを奪ってチームの勝利にも貢献。医師になるという夢の1歩を踏み出しトップリーグ初制覇もめざす最後のシーズン、完全燃焼で臨む覚悟です。

 

福岡 堅樹 選手

本当にこれまでやってきたことをすべて出し切って後悔ないようなラグビー人生の締めくくりにできたらいい。

この記事を書いた人

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金沢 隆大 記者

平成24年 NHK入局

広島局、大阪局スポーツを経て報道局スポーツニュース部に移動。広島では主に事件担当、大阪ではプロ野球(阪神・オリックス)、春のセンバツ90回大会、夏の甲子園100回大会を取材。スポーツニュース部ではパラリンピックの担当。小学校から大学まで野球部に所属。

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