ストーリー野球

ヤクルト・高津臣吾監督「改革は会話から」

2019-11-28 午後 0:00

今シーズン、セ・リーグ最下位に終わったヤクルト。チームの再建を託されたのは高津臣吾監督です。ヤクルトの抑えとして4回の日本一に貢献し大リーグでも活躍。ヤクルトの1軍投手コーチや2軍監督を経て就任しました。高津監督が目指すチームの姿とは。

改革の一歩は"会話"から

11月25日に51歳になった高津監督。どんなチームにしたいか尋ねるとこう答えました。

 

高津臣吾監督

風通しをよくしたい。監督とか選手とかコーチとかそういう間をとっぱらって会話のできるチームにしたい。

 

 

高津新体制の船出となった秋季キャンプ。そのことば通り選手に気さくに声をかける姿が目立ちました。

 

入団4年目・高橋奎二投手

監督にはオフの翌日、『きのうどこ行ったの?』とか聞かれる。

僕らにも気軽に接してくれるのですごくやりやすい。“第2のお父さん”みたいな感じ。

 

 

秋季キャンプ最終日のこと。高津監督の誕生日を前に選手やスタッフがサプライズでケーキを用意。バースデーソングを歌って祝いました。

高津臣吾監督

壁は作っちゃいけない。僕もわからないことはコーチや選手に聞くし。

そういう会話がないと組織はうまくいかない。

会話重視はあの監督の影響

こうした姿勢は高津さん自身、現役時代に監督との会話をきっかけに飛躍した経験があるからです。プロ2年目の秋季キャンプ。当時、チームを率いていたのは野村克也監督でした。

 

野村克也監督

 

この年、日本シリーズで西武に3勝4敗で敗れました。その時、西武の抑え・潮崎哲也投手に苦しめられたことを踏まえ、野村監督は同じサイドスローの高津さんにあるアドバイスを送りました。

野村克也監督

潮崎のような遅いシンカーを投げられないか。

 

2003年4月、通算230セーブのプロ野球新記録(当時)を達成したヤクルト選手時代の高津監督

 

このキャンプで野村監督につきっきりで指導を受けた高津さん。ゆっくりと沈む変化球、シンカーに磨きをかけ、次のシーズンに先発から抑えに転向。その後、球界を代表する抑えに成長しました。

高津臣吾監督

日本シリーズで登板できず悔しい思いをして、いいタイミングでいいアドバイスをもらった。

シンカーを覚えることで、僕の野球人生は変わった。

飛躍のきっかけ与える"監督のことば"

野村監督と言えば、“ベンチでお説教”というイメージがありますが、高津さんが抑えに定着してからは怒られることがほとんどなかったと言います。

印象に残っているのは、いつも試合が終わった時にかけられるひと言でした。

 

高津臣吾監督

最後ハイタッチをしてベンチに帰るときに、野村監督から『ありがとう』、『サンキュー』と言われた。

このひと言のために、9回を頑張って逃げ切ろうと思えた。人の心を動かせるすごく大きなことばだった。

 

高津監督が殻を破ってほしいと考える1人が、高校卒業3年目の寺島成輝投手。ドラフト1位で入団しましたが、まだ1軍で勝ち星をあげられていません。

 

 

強いストレートと決め球の習得に向け、「体の使い方を意識しながら取り組んでいる」という寺島投手。高津監督がじっと見つめる中、投球練習を繰り返していました。

 

入団3年目・寺島成輝投手

体が開く悪いクセが出た時に、しっかり指摘してくれる。

ひと言かふた言ですが、見てもらえているので気も張るし、しっかりやらないといけないと思う。まずは初勝利をつかみたい。

 

高津臣吾監督

監督がしゃべったひと言が選手にどれだけ響くか。ひと言でも人によって受け取り方は違う。

ちゃんとことばを選んで、選手のためになることばを発してあげたい。

"チームスワローズ"で

基礎練習が中心となる秋季キャンプでは、ヤクルトで最近なかった練習試合を2試合組みました。同じ練習の繰り返しでは選手たちが飽きてしまうと考えたからです。

 

 

12球団ワーストの防御率に終わった投手陣の立て直し。そしてリーグで2番目に多かったエラーの数を減らすための守備力の強化。最下位から浮上するため課題は山積みですが、高津監督は選手やコーチと一丸となって来シーズン、戦い抜く決意です。

 

高津臣吾監督

今シーズンの成績を考えると簡単に優勝するとは言えない。当然、厳しいシーズンが待っていると思う。

でも勝ったら、みんなで大喜びしたいし、負けたらみんなで反省して悔しがりたい。1軍でユニフォームを着ている人だけではなく、チームスワローズとしてみんなが感情をむき出しにしたチームにしていきたい。

武田善宏

平成21年入局 鹿児島局、福岡局を経てスポーツニュース部。現在、野球担当としてプロ、アマチュア、国際大会など野球取材に全国各地を飛び回る毎日です。

 

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