山梨学院【解説】貫いた“挑戦者の姿勢” 高校野球 センバツ
センバツ高校野球、山梨県勢として初の頂点まで、あと1勝とした山梨学院。準決勝では広陵高校に、毎回ヒットを打たれる苦しい展開にも、吉田洸二監督は「ついていって相手を焦らせる展開にしようと話していた」と想定内だったことを明かしました。
センバツ優勝経験のある広陵に対して、初めて準決勝に進んだ山梨学院。試合前の円陣で選手たちが思い出したのは、WBC=ワールド・ベースボール・クラシックの決勝前に、大谷翔平選手が呼びかけた「憧れるのをやめましょう」という言葉でした。
そして、“挑戦者の姿勢”で準決勝に挑もうと一丸となりました。
準決勝までの4試合すべてに先発してきた、エースの林謙吾投手に対し吉田監督は「相手の方が力は数段上なので向かって行ってこい」と声をかけました。
その林投手は1回、力んで制球を乱し、ランナーを出したあと平常心を取り戻したといいます。
「みんないいバッターなので、打たれるのは当然じゃないですけど、落ち着いてひとつずつアウトを取ろうと思いました」と切り替え、その後のピンチではひとつギアを上げました。
相手打線に毎回の10本のヒットを打たれながらも、失点は犠牲フライの1点だけ。相手の強打者、真鍋慧選手とは4回対戦して、フォアボール1つで、ノーヒットに抑えました。
「打たれて当然」と開き直ったエースの好投で「相手を焦らせる」というチームの作戦どおりの展開に持ち込むことに成功したのです。
“挑戦者の姿勢”は打線にも徹底されていました。
9回に決勝タイムリーヒットを打った4番の高橋海翔選手は「4番だから自分が打とうという気持ちはなく、とにかくつなごうという気持ちでした」と、変化球にしぶとく食らいつき、値千金の決勝点をもたらしました。
決勝の相手は春2回、夏1回の優勝を誇る兵庫の報徳学園です。
紫紺の優勝旗を、初めて山梨県に持ち帰るために山梨学院は、“挑戦者”として決勝の舞台に立ちます。
【詳しくはこちら】山梨学院 対 広陵
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230331/k10014025211000.html
【NHK特設サイト】センバツ高校野球2023
https://www3.nhk.or.jp/news/word/0002318.html#!/0/