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高校野球 センバツ 大阪桐蔭が東海大菅生に勝利 準決勝進出

野球 2023年3月29日(水) 午後8:54
高校野球 センバツ 大阪桐蔭が東海大菅生に勝利 準決勝進出

センバツ高校野球、準々決勝の第3試合は史上初となる2回目の連覇を目指す大阪桐蔭高校が東京の東海大菅生高校に6対1で勝って、準決勝に進みました。


大阪桐蔭は3回に4番の南川幸輝選手の2点タイムリーヒットなど打者9人の攻撃で、一挙4点を奪って主導権を握りました。

さらに5回には、今大会ヒットがなかった5番の佐藤夢樹選手がセンターへのソロホームランを打ってリードを広げました。

先発したキャプテンでエースの前田悠伍投手は、伸びのあるストレートを軸に毎回の11個の三振を奪い、東海大菅生の打線をヒット7本、1点に抑えて完投しました。

大阪桐蔭は東海大菅生に6対1で勝って、31日の準決勝に進みました。

東海大菅生は3回途中からリリーフしたエースの日當直喜投手が6イニングを投げて、2失点にまとめましたが、序盤の失点が響き、センバツで初めてのベスト4進出はなりませんでした。


大阪桐蔭 西谷監督「勢いを持って挑戦したい」


大阪桐蔭高校の西谷浩一監督は試合後のインタビューで、「今大会は思うようにいかない試合ばかりだったので、きょうはとにかく気持ち込めて手を抜くことなく、粘り強く戦うことが自分たちのリズムになると選手たちに伝えていました。選手の心と体が一致していると手応えを感じた試合でした」と話し、選手をたたえました。

31日の準決勝に向けては「もっともっとしんどい戦いになると思いますので、あすしっかり練習して、勢いを持って挑戦したいです」と話していました。


大阪桐蔭 前田投手「強気で投げ込むことができた」


大阪桐蔭高校の前田悠伍投手は「相手は初球からどんどん振ってくるチームでした。自分も気持ちで負けないように1球1球を丁寧に、強気で投げ込むことができたと思います」と11個の三振を奪って完投した試合を振り返りました。

また、29日はふだんあまり使わないカーブを使ったということで、「いろいろ、試していくつもりで投げました。カーブを使ってからのまっすぐで緩急をつけてみてまっすぐもキレがよく、いい感覚で投げ込むことができました」と手応えを話していました。

そして、準決勝に向けて「あと2試合勝てば優勝ですが、優勝を意識すれば目の前のことがおろそかになるので、まずは準決勝のことだけを考えて全員で戦っていければと思います」と淡々と話していました。


大阪桐蔭 南川選手「目の前の相手を倒して決勝へ」


大阪桐蔭の南川幸輝選手は先制の2点タイムリーヒットについて「1打席目にチャンスで凡退してしまい、次こそは先制点を取るぞと強い気持ちで打席に入りました。ここまでの試合で、ピッチャーを助けることができていなかったので打ててよかったです」と笑顔で振り返りました。

準決勝に向けては「きょうと同じように、チームが困っているときに助けるバッティングができるといいなと思います。日本一が目標ですが、まずは目の前の相手を倒して決勝に進みたいです」と意気込んでいました。


東海大菅生 上田監督「取れるアウトを取れなかった」


東海大菅生高校の上田崇監督は「粘り強くヒットを打てていたので、全くお手上げという試合ではなかったと思います。取れるアウトを取れなかったというミスが重なったのが敗因です」と試合を振り返りました。

夏に向けては「1つのアウトをしっかり取っていくよう守備面を強化していきたい」と話しました。


東海大菅生 日當投手「強くて打たれない球を目指したい」


東海大菅生高校のエースの日當直喜投手は「まだ、自分のまっすぐが全国に通用するレベルじゃないと思いました。まっすぐをもっと磨いて強くて打たれない球を目指したい」と粘りながらも追加点を奪われた自身の投球を振り返りました。

そのうえで「悔しい結果になったが、収穫に加えて、反省して次に生かせる部分があるので、力をつけて、必ず、甲子園に戻ってくることを誓います」と今後の意気込みを力強く話していました。


大阪桐蔭 原点に返り重苦しい雰囲気吹き飛ばす


大阪桐蔭高校は、この大会に入ってから本来の力を発揮できていなかった打線がつながり、優勝した去年に続いてのベスト4に進出しました。
それぞれの選手がセンター返しや全力疾走といったチームの原点に立ち返ることで重苦しい雰囲気を吹き飛ばしました。

この大会で優勝候補の筆頭にあげられる大阪桐蔭は、順当に勝ち上がってきたものの、得点は福井の敦賀気比高校との初戦の2回戦が3点、秋田の能代松陽高校との3回戦がわずか2安打で1点のみと、本来の力が発揮できていませんでした。

3回戦を終え、すぐ翌日に準々決勝を控えた28日、西谷浩一監督は心と体のバランスが崩れている選手がいると考え、「このままでいいのか。先輩たちがつくってきた歴史をつないでいかないといけない。受け身になるのではなく、相手を飲み込んでいくぐらいで臨みなさい」と奮起を促しました。

あえてチーム全体での練習は行わず、それぞれが宿舎で素振りをしたり、対戦相手の東海大菅生高校の映像を見たりして過ごしたということです。

迎えた準々決勝、選手たちはこれまでと違う姿を見せました。

4番の南川幸輝選手は、上位打線がつくった満塁のチャンスで低めに落ちる変化球に体勢を崩されながらも食らいつき、先制の2点タイムリー。

今大会ヒットがなかった5番の佐藤夢樹選手は、センターへの逆らわないバッティングで貴重な追加点となるホームランを打ちました。

チームとしても今大会初めてのふた桁10本のヒットを打ち、その多くは、南川選手のように内野の間をしぶとく抜ける打球や全力疾走で奪った内野安打がほとんどでした。

南川選手は「ホームランや長打が出ればいいですが、まだまだ力がないので、しぶとく、しぶとく、内野の間を抜くバッティングができました」と振り返りました。

西谷監督は「センター返しや全力疾走ともう1度原点にたちかえることができました。心と体が一致していると手応えを感じた試合でした」と充実した表情で話しました。


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