センバツ高校野球 出場36校決定 【詳しく】全チーム紹介も

ことし3月に甲子園球場で開かれる、センバツ高校野球の出場36校が27日に決まりました。大会連覇を目指す大阪桐蔭高校や、去年夏の全国高校野球で東北勢として初めて優勝した宮城の仙台育英高校などが選ばれました。
※記事後半では出場全チームを詳しく紹介しています。
センバツ高校野球は、ことし、95回の記念大会となり、27日、大阪市で開かれた選考委員会では、例年より4校多い出場校36校が選ばれました。

このうち、去年秋の地区大会の成績などを参考にした「一般選考」では、去年秋の明治神宮大会で優勝し、史上初となる2回目のセンバツ連覇を目指す大阪桐蔭をはじめ、去年夏の全国高校野球で東北勢として初優勝を果たした宮城の仙台育英高校、かつて大阪のPL学園で甲子園を沸かせた清原和博さんの次男、清原勝児選手が注目を集める神奈川の慶応高校など33校が選ばれました。
また、困難な状況を克服し、好成績を残した学校などが対象になる「21世紀枠」では、富山の氷見高校、徳島の城東高校、栃木の石橋高校の3校が選ばれました。
初出場は5校で、滋賀の彦根総合高校、21世紀枠の城東高校と石橋高校の合わせて3校は春夏通じて初めての甲子園です。最も期間をあけての出場となるのは、福井の北陸高校で、34年ぶりの出場です。

大会は、3月10日の組み合わせ抽せんを経て、3月18日に開幕し、2日の休養日を含めて、14日間の日程で行われます。
高野連 寶会長「なんとか以前の姿に」
高野連=日本高校野球連盟の寶馨 会長は選考委員会のあとの記者会見で、大会での新型コロナウイルスの感染対策について「去年は、新型コロナウイルスの影響で観客の入場制限も行った。ことしは今後の感染者の推移にもよるが開会式も36校すべてが参加し、入場制限も設けない形での開催を予定している」と話しました。その上で具体的な対策についてガイドラインを作成中だとしたうえで「これまでいろいろな対策を行ってきた経験を生かしたい。希望的な話かもしれないが、なんとか以前の姿に戻していきたい」と意気込んでいました。
《出場36校決定》
【21世紀枠(3校)】

▽氷見高校(富山):30年ぶり2回目
▽城東高校(徳島):春夏通じて初
▽石橋高校(栃木):春夏通じて初
【一般選考(33校)】

<北海道(1校)>
▽クラーク記念国際高校:2年連続2回目
<東北(3校)>
▽仙台育英高校(宮城):2年ぶり15回目
▽東北高校(宮城):12年ぶり20回目
▽能代松陽高校(秋田):初出場

<関東・東京(7校)>
▽山梨学院(山梨):2年連続6回目
▽専大松戸高校(千葉):2年ぶり2回目
▽高崎健康福祉大高崎高校(群馬):2年ぶり6回目
▽慶応高校(神奈川):5年ぶり10回目
▽作新学院(栃木):6年ぶり11回目
▽東海大菅生高校(東京):2年ぶり5回目
▽二松学舎大付属高校(東京):2年連続7回目

<北信越(2校)>
▽北陸高校(福井):34年ぶり2回目
▽敦賀気比高校(福井):3年連続10回目
<東海(3校)>
▽東邦高校(愛知):4年ぶり31回目
▽常葉大菊川高校(静岡):10年ぶり5回目
▽大垣日大高校(岐阜):2年連続5回目

<近畿(7校)>
▽大阪桐蔭高校(大阪):4年連続14回目
▽報徳学園(兵庫):6年ぶり22回目
▽智弁和歌山高校(和歌山):3年ぶり15回目
▽龍谷大平安高校(京都):4年ぶり42回目
▽履正社高校(大阪):3年ぶり10回目
▽彦根総合高校(滋賀):春夏通じて初
▽社高校(兵庫):19年ぶり2回目

<中国・四国(6校)>
▽広陵高校(広島):2年連続26回目
▽光高校(山口):初出場
▽鳥取城北高校(鳥取):2年ぶり4回目
▽英明高校(香川):5年ぶり3回目
▽高松商業(香川):4年ぶり28回目
▽高知高校(高知):2年連続20回目

<九州(4校)>
▽沖縄尚学高校(沖縄):9年ぶり7回目
▽長崎日大高校(長崎):2年連続4回目
▽海星高校(長崎):7年ぶり6回目
▽大分商業(大分):3年ぶり7回目
《全出場校を詳しく紹介》
氷見(富山)<21世紀枠>

▼所在地:富山県氷見市
▼創立:2010年 県立
▼センバツ出場回数:30年ぶり2回目(※前回は統合前の氷見高校として出場)
▼学校・チームの特徴
選手の大半が市内出身、17人と選手が少ないことから、それぞれが複数のポジションを練習し、野球を多角的に経験することでチーム力を高めたり、将来の指導者育成にもつなげたりしていることが評価されました。去年秋の富山大会では圧倒的な打撃力で優勝、北信越大会の初戦も突破しました。地域の小学生を対象とした野球教室を開くなど普及活動にも取り組んでいます。これまでに春と夏それぞれ1回ずつ、甲子園に出場した経験があります。富山県の高校が21世紀枠に選ばれるのは初めてです。
キャプテンの大澤祥吾選手は「自分たちのやってきたことが評価されて素直にうれしいです。小さい頃から育った氷見に少しでも恩返しできるよう17人全員で頑張りたい」と話していました。
城東(徳島)<21世紀枠>

▼所在地:徳島県徳島市
▼創立:1902年 県立
▼センバツ出場回数:春夏通じて初
▼学校・チームの特徴
創立120年の徳島県内トップクラスの進学校で、野球部は当初、軟式でスタートし、27年前に(1996年)硬式野球部に変わりました。「主体的に考える野球」をテーマに、練習メニューの多くを選手が考え、試合でも場面に応じて、ノーサインでプレーしてきました。バントだけで得点を目指す「バントゲーム」で小技や機動力の強化に取り組み、練習の時間や場所の少なさを創意工夫で補ってきました。選手12人で臨んだ去年秋の徳島大会では5試合で14個の盗塁を記録するなど持ち味を発揮してベスト4に入りました。マネージャーの女子部員も練習で手のまめをつぶしながら、ノックを打ってチームに貢献しています。甲子園出場は、春夏通じて初めてです。
マネージャーの永野悠菜さんは「マネージャーは選手とちがって評価が目にみえないですが、努力がやっと実を結んだので出場が決まったときは泣いてしまいました。これからの練習でも恩返しの気持ちで選手にノックを打ちたいです」と話していました。
【女子マネージャーのノック「今後、検討したい」】
選考委員会のあとの記者会見で、報道陣から出た「女子マネージャーが大会でノックを打つ可能性があるのか」という質問に対して高野連=日本高校野球連盟の小倉好正事務局長は「学校側から申し出があれば今後検討したい」と可能性を否定しませんでした。高野連などでは、去年の夏の甲子園からふだんから練習に関わっている女子部員については、試合前のノックでノッカーにボールを手渡ししたり試合中にファウルボールを拾ったりするなど「補助員」としてグラウンドに立つことを認めています。
石橋(栃木)<21世紀枠>

▼所在地:栃木県下野市
▼創立:1924年 県立
▼センバツ出場回数:春夏通じて初
▼学校・チームの特徴
学業との両立を目指し、平日の練習を2時間に限定して行うなか、近年では2016年と2020年の2回、秋の関東大会に進むなど実力をつけてきました。毎年12月に地域の小学生を対象に肩やひじの検診を兼ねた野球教室を開催していて、地域の野球人口の増加とこどもたちのけがの予防にも取り組んでいます。「長く野球を続けてもらう」という狙いを持った先駆的な取り組みが高く評価されました。甲子園出場は、春夏通じて初めてです。
キャプテンの横松誠也選手は「選んでいただき、嬉しいのひと言です。大会までの間、より一層練習に励み、持ち味の元気で活気あふれるプレーを甲子園で見せたいです」と話していました。
クラーク国際(北海道)<北海道>
▼所在地:北海道深川市
▼創立:1992年 私立
▼センバツ出場回数:2年連続2回目
▼学校・チームの特徴
秋の北海道大会で2連覇を果たし、センバツは2年連続の出場となりました。秋の北海道大会4試合を1人で投げ抜き、自責点1と安定した投球を見せたキャプテンの新岡歩輝投手がチームの要です。
選手たちは雪が積もっている校舎の敷地に出て、キャプテンでエースの新岡歩輝投手を胴上げしたり、全員で帽子を空に向かって勢いよく投げたりして、喜んでいました。新岡投手は「センバツに向けて準備をしてきたので、出場が決まってすごくうれしいです。キャプテンとしてもピッチャーとしても、チームを勝たせることが大事になってくると思うので、チームを引っ張っていき、いい形でセンバツに向かいたいです」と話していました。
仙台育英(宮城)<東北>

▼所在地:宮城県仙台市、多賀城市
▼創立:1905年 私立
▼センバツ出場回数:2年ぶり15回目
▼学校・チームの特徴
去年夏の全国高校野球で東北勢として初めて優勝しました。原動力となった投手陣は新チームでも健在で、秋の東北大会は高橋煌稀投手など4人のピッチャーが4試合でわずかに5失点と安定した戦いぶりを見せて2年ぶりに制しました。「夏・春連覇」に挑みます。
吹奏楽部やチアリーディング部による激励のパフォーマンスが行われ、キャプテンの山田脩也選手が「夏春連覇を目指してチーム一丸となって戦い、みなさんと感動を分かち合えればと思います」と意気込みを話しました。須江航監督は「子供たちの夢がかなう瞬間だったのでとてもうれしいです。優勝候補といわれる実力はまだありませんが、夏の大会と同じようにまた一戦一戦、力をつけて、みんなの力で勝ち上がれればと思います」と話しています。
東北(宮城)<東北>
▼所在地:宮城県仙台市青葉区・泉区
▼創立:1894年 私立
▼センバツ出場回数:12年ぶり20回目
▼学校・チームの特徴
プロ野球の巨人でプレーした佐藤洋監督が去年8月に就任し、83回大会以来となるセンバツの切符をつかみ取りました。秋の東北大会では左右の好投手を中心に決勝まで勝ち上がりました。
東日本大震災の発生直後に行われた2011年の大会以来、12年ぶり20回目の出場で、12年前に野球部の監督をしていた五十嵐征彦校長が「12年前は野球どころではなく全国から救援物資をいただいて出場できた。野球ができる喜びをかみしめ、全国の皆さんに東北高校は元気だよ、あの時はありがとうございました、という思いで甲子園で活躍してほしい」と呼びかけました。キャプテンの佐藤響選手は「率直にうれしい。12年前は大変な時だったので全国の舞台でみんなに“ただいま”と笑顔を届け悔いのないプレーをしたいです」と話していました。
能代松陽(秋田)<東北>
▼所在地:秋田県能代市
▼創立:2013年 県立
▼センバツ出場回数:初出場
▼学校・チームの特徴
2013年に能代北高校と能代商業が統合して開校しました。森岡大智投手など去年夏の全国高校野球に出場したメンバーが残り、秋の東北大会はベスト4に進出しました。準決勝では優勝した仙台育英に1対2の接戦で敗れていました。
キャプテンの大高有生選手は「うれしくて涙が出そうになりました。自分たちのチームのモットーである全員野球が甲子園でもできるように練習をがんばりたいです」と話していました。
山梨学院(山梨)<関東>

▼所在地:山梨県甲府市
▼創立:1956年 私立
▼センバツ出場回数:2年連続6回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の県大会で優勝し、その後の関東大会でも優勝を果たしました。関東大会では背番号「10」の林謙吾投手がすべての試合に先発しました。野球部を始め、サッカー部や駅伝部も強豪として知られています。
専大松戸(千葉)<関東>

▼所在地:千葉県松戸市
▼創立:1959年 私立
▼センバツ出場回数:2年ぶり2回目
▼学校・チームの特徴
OBにはプロ野球・日本ハムで活躍する上沢直之投手がいます。去年秋の県大会で優勝し、関東大会では準優勝。チームのエース、速球派の平野大地投手はプロ野球のスカウトからも注目を受けています。
高崎健康福祉大高崎(群馬)<関東>

▼所在地:群馬県高崎市
▼創立:1936年 私立
▼センバツ出場回数:2年ぶり6回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の関東大会の準々決勝で横浜高校に勝ってベスト4に入りました。チームが掲げるのは「機動破壊」。積極的に次の塁を狙う走塁に注目です。
慶応(神奈川)<関東>

▼所在地:神奈川県横浜市
▼創立:1948年 私立
▼センバツ出場回数:5年ぶり10回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の関東大会では1回戦、準々決勝といずれも、2桁安打をマークするなど打線が持ち味のチームです。プロ野球で活躍した清原和博さんの次男・勝児選手のバッティングにも注目です。
キャプテンの大村昊澄選手は「ほっとした思いもありますが、すぐに『やるぞ』という気持ちになりました。日本一を目指すとともに、感動してもらえるように必死にプレーする姿を見せていきたいです」と話していました。

プロ野球の西武や巨人などでプレーした清原和博さんの次男で、1年生の清原勝児選手は「夢の舞台だったのでプレーできるのがうれしいです。甲子園ではチームを勇気づけるプレーやチームに貢献するバッティングをしたいです」と話していました。
作新学院(栃木)<関東>

▼所在地:栃木県宇都宮市
▼創立:1885年 私立
▼センバツ出場回数:6年ぶり11回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の県大会で優勝し、その後の関東大会でも準々決勝に進出しました。関東大会2試合でエラーが1つも無い堅い守りが持ち味です。甲子園では春1回、夏2回の優勝経験があります。
東海大菅生(東京)<東京>

▼所在地:東京都あきる野市
▼創立:1983年 私立
▼センバツ出場回数:2年ぶり5回目
▼学校・チームの特徴
去年の秋の東京都大会では身長1メートル90センチの長身から投げ下ろすエースのピッチングを軸に競り合いを制して2年ぶりに優勝しました。センバツではおととしのベスト8が最高です。
キャプテンの渡部奏楽選手は「センバツに選んでもらいうれしく思っています。もう一度、気を引き締めて練習をして目の前の試合に勝ち、優勝を目指したい」と意気込みを話していました。一方、学校は複数の部員に平手でたたく体罰を行っていたとして日本学生野球協会から謹慎4か月の処分を受けた監督を今月21日付けで解任したということです。新たにコーチから監督に就任した上田崇氏は「熱い言葉をかけながら、子どもたちがのびのびできるようにサポートしたい」と話しています。
二松学舎大付(東京)<東京>
▼所在地:東京都千代田区
▼創立:1948年 私立
▼センバツ出場回数:2年連続7回目
▼学校・チームの特徴
おととしの夏から4季連続の甲子園出場で、昭和57年にはセンバツ準優勝の経験もあります。投打にバランスのとれたチームで、去年秋の東京都大会では準優勝しました。卒業生には大リーグで活躍する鈴木誠也選手がいます。
東邦(愛知)<東海>

▼所在地:愛知県名古屋市
▼創立:1923年 私立
▼センバツ出場回数:4年ぶり31回目
▼学校・チームの特徴
センバツでは最多となる5回の優勝を誇ります。去年秋の東海大会で1試合平均8点以上の得点をあげた打線が強力です。またキャプテンの石川瑛貴選手は、4年前のセンバツでキャプテンとしてチームを優勝に導き、現在、プロ野球・中日でプレーする石川昂弥選手の弟で、兄弟で優勝を果たせるかも注目です。
石川瑛貴選手は「出場が決まり、まずはほっとしている。兄からは『甲子園はいいところだ』と聞いた。秋の大会ではバッティングがよくなかったので強化していきたい」と意気込んでいました。
常葉大菊川(静岡)<東海>
▼所在地:静岡県菊川市
▼創立:1972年 私立
▼センバツ出場回数:10年ぶり5回目
▼学校・チームの特徴
プロからも注目を集めるキャッチャーの鈴木叶選手を中心に競り合いに強く、去年秋の東海大会は、いずれも2点差以内の接戦を制して決勝まで勝ち上がり、準優勝しました。石岡諒哉監督は、2007年にセンバツで優勝したときのメンバーで、母校の監督に就任してからは初めての甲子園です。「常葉のT」と「菊川のK」を組み合わせた帽子のマークや、ピンストライプのユニフォームは、大リーグのヤンキースを想像させます。
大垣日大高(岐阜)<東海>

▼所在地:岐阜県大垣市
▼創立:1963年 私立
▼センバツ出場回数:2年連続5回目
▼学校・チームの特徴
センバツには去年も出場し、下級生の頃から経験豊富なメンバーがそろいます。エースの山田渓太投手は、大きく縦に曲がるカーブが持ち味で、ベスト4の成績を残した去年秋の東海大会では準決勝までの3試合すべてで完投しました。78歳の阪口慶三監督は、去年に続いて、孫の高橋慎選手とともに臨む大会となります。
阪口監督は「甲子園に出る以上、日本一だ。やるだけやったら突っ走る。今すごく燃えている。投手陣と守備陣、この2つをより磨いて甲子園に乗り込みたい」と述べました。また、これまでに甲子園で39勝し、節目の40勝まであと1勝だと問われると「あまり節目とは考えていない。考えるのなら“44勝”。44勝ということは優勝だ」と答えていました。
北陸(福井)<北信越>
▼所在地:福井県福井市
▼創立:1880年 私立
▼センバツ出場回数:34年ぶり2回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の北信越大会の決勝では、大会3連覇を目指す同じ福井の敦賀気比高校と対戦し、延長13回タイブレークの末に勝って、34年ぶりの優勝を決めました。長身のエース、友廣陸投手を中心に北信越大会の1試合平均の失点はわずか1点余りと、守りからリズムを作ります。
敦賀気比(福井)<北信越>
▼所在地:福井県敦賀市
▼創立:1986年 私立
▼センバツ出場回数:3年連続10回目
▼学校・チームの特徴
伝統の強打に加えて、粘り強さがある打線が特徴です。準優勝した去年秋の北信越大会の準々決勝では5点をリードされた8回に6点を取って逆転勝ちしました。投手陣も去年のセンバツでもベンチ入りし、コントロールが持ち味のエース、辻晶太投手を中心に力のある複数のピッチャーをそろえます。OBには今シーズンから大リーグのレッドソックスでプレーする吉田正尚選手などがいます。
大阪桐蔭(大阪)<近畿>
▼所在地:大阪府大東市
▼創立:1983年 私立
▼センバツ出場回数:4年連続14回目
▼学校・チームの特徴
甲子園で春夏あわせて9回の優勝を誇る全国屈指の強豪です。ことしのチームの柱はエースでキャプテンの前田悠伍投手。秋の近畿大会では3試合を完投して防御率1.67と好投。明治神宮大会でも3試合に登板して防御率2.14と安定したピッチングを見せ、史上初の大会連覇に導きました。センバツでは学校として2回目の大会連覇を目指します。

キャプテンでエースの前田悠伍投手は「正式にセンバツ出場が決まって素直に嬉しいです。個人としてはチームを勝たせるピッチングをしたいです。去年の夏は悔しい思いをして、甲子園の借りは甲子園でしか返せないので、まずは目の前の試合を戦って、結果的に優勝、2連覇につながればと思います」と意気込みを話していました。西谷浩一監督は「スタートラインに立てたなと気持ちが高まっています。春の日本一を目指して、チーム全員で力を合わせて優勝旗を持ち帰りたいという、その一念を持って戦いたいと思います」と話していました。
報徳学園(兵庫)<近畿>
▼所在地:兵庫県西宮市
▼創立:1911年 私立
▼センバツ出場回数:6年ぶり22回目
▼学校・チームの特徴
秋の近畿大会で準優勝し、センバツ出場を果たしました。近畿大会の打率が5割を超えた堀柊那選手はプロ注目のキャッチャーで、攻守でチームを引っ張ります。
智弁和歌山(和歌山)<近畿>
▼所在地:和歌山県和歌山市
▼創立:1978年 私立
▼センバツ出場回数:3年ぶり15回目
▼学校・チームの特徴
秋の近畿大会でベスト4に進出し、去年夏に続く甲子園出場です。近畿大会で3試合連続でホームランを打った4番の中塚遥翔選手など強打の打線は健在です。
中谷仁監督は「出場が目標ではありません。攻撃も守備も走塁もまだまだのびしろがあるチームなので、より一層気を引き締めて日本一を目指してがんばります」と話していました。
龍谷大平安(京都)<近畿>
▼所在地:京都府京都市
▼創立:1876年 私立
▼センバツ出場回数:4年ぶり42回目
▼学校・チームの特徴
秋の京都府大会3位から近畿大会ベスト4まで勝ち上がり、センバツの最多出場を更新する42回目の出場です。センバツでは2014年の86回大会で優勝しています。
原田英彦監督は「今から甲子園でプレーする姿を想像しています。しっかり暴れてほしいが、不安もあるので、力を発揮できるように練習していきたいです」と話しました。
履正社(大阪)<近畿>

▼所在地:大阪府豊中市
▼創立:1922年 私立
▼センバツ出場回数:3年ぶり10回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の近畿大会でベスト8に進出し、去年春に就任した多田晃監督のもとで初めての甲子園出場となりました。2019年の夏の全国高校野球で優勝したほか、センバツでは準優勝2回の実績があります。
キャプテンの森澤拓海選手は「選ばれるか不安でしたが、とてもうれしいです。甲子園は自分たちが何度もチャレンジして跳ね返されてきた場所なので優勝したいです」と意気込みを話していました。多田晃監督は「甲子園という素晴らしい舞台で生徒たちと一緒に野球ができることに、ほんとに感謝しているし嬉しいです。キャプテンと副キャプテンを中心にまとまりがあり、例年以上に練習をたくさんする努力家なチームです。長打力と走力をいかして履正社らしい野球をして、優勝を目指したいです」と話していました。
彦根総合(滋賀)<近畿>
▼所在地:滋賀県彦根市
▼創立:1948年 私立
▼センバツ出場回数:春夏通じて初
▼学校・チームの特徴
滋賀の北大津高校を春夏通算6回甲子園に導いた宮崎裕也監督が2020年に就任し、去年秋の滋賀県大会で初めて優勝しました。近畿大会でも1勝をあげ、春夏通じて初めての甲子園出場を果たしました。「一般選考」で選ばれたチームで唯一となる春夏通じて初出場です。

初出場を祝福しようと菓子作りを学ぶ生徒たちが、甲子園球場をイメージして特別に作ったケーキが野球部員が集まった体育館に運び込まれました。キャプテンの上田大地選手は「甲子園では、彦根総合らしく楽しく、笑顔で、精いっぱい頑張ります」と話していました。
社(兵庫)<近畿>
▼所在地:兵庫県加東市
▼創立:1913年 県立
▼センバツ出場回数:19年ぶり2回目
▼学校・チームの特徴
去年夏の全校高校野球に続いて夏春連続出場です。センバツ初出場だった2004年はベスト4に進出しました。去年秋の近畿大会の1回戦では7回に一挙7得点と集中打が光ってベスト8に進出しました。
広陵(広島)<中国>
▼所在地:広島県広島市
▼創立:1896年 私立
▼センバツ出場回数:2年連続26回目
▼学校・チームの特徴
センバツでは過去3回優勝し、春に強いイメージから「春の広陵」などと呼ばれています。去年秋の明治神宮大会で2本のホームランを打った強打者、真鍋慧選手など長打のあるバッターが並ぶ打線に加えて、左右の柱がいる投手陣も強力です。OBには、プロ野球の広島と阪神で活躍し、1492試合連続フルイニング出場の世界記録をつくった金本知憲さんがいます。
強力打線の中で高校通算で49本のホームランを打っている2年生の真鍋慧選手は「小さい頃から甲子園でホームランを打つのが夢だった。夢をかなえられるよう頑張りたい。持ち味の長打でチームを引っ張りたい」と話していました。30年以上チームを指揮している中井哲之監督は「ことしのチームはピッチャーがそろっていてバッティングではどんな投手相手でも打てる力がある。1試合、1球を大事にして日本一を目指したい」と話していました。
光(山口)<中国>

▼所在地:山口県光市
▼創立:1936年 県立
▼センバツ出場回数:初出場
▼学校・チームの特徴
去年秋は、山口県で3位ながら中国大会で甲子園出場経験のある高校を次々と破る快進撃を見せて準優勝しました。チームの大黒柱で、中国大会4試合をすべて1人で投げ抜いたエースの升田早人投手は140キロ台のキレのある速球が持ち味の本格派です。ほかの部活動も盛んで、陸上部のOBにはアテネオリンピックの男子マラソンの代表、国近友昭さんなどがいます。
エースでキャプテンの升田早人投手は「チームワークが持ち味なので全員がキーマンという気持ちで戦いたい。まずは目の前の1勝からひとつずつ積み重ねていきたい」と話していました。自身も光高校出身の宮秋孝史監督は「正式にセンバツの出場が決定してホッとしているのと、これからどう戦っていこうかと不安が入り交じっている。升田投手を中心に失点を少なくするとともに打線を仕上げていって、強豪を相手にいい試合をしたい」と話していました。
鳥取城北(鳥取)<中国>
▼所在地:鳥取県鳥取市
▼創立:1963年 私立
▼センバツ出場回数:2年ぶり4回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の中国大会ではベスト4に入り、準決勝では、優勝した広島の広陵高校を相手に8回までリードを奪うなど実力を示しました。最速140キロ台の速球に落差のある変化球も持つエースの新庄空投手は安定感があり、打線の粘り強さも特徴です。相撲部も全国屈指の強豪で、卒業生には横綱・照ノ富士など多くの関取がいます。
英明(香川)<四国>
▼所在地:香川県高松市
▼創立:1917年 私立
▼センバツ出場回数:5年ぶり3回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の四国大会では、決勝までの3試合すべて2点差以内の接戦で勝って優勝しました。明治神宮大会でも関東大会優勝の山梨学院を相手に最大4点差を逆転して勝利するなど、打線はここ一番で高い集中力を見せます。野球部は2005年創部と歴史は浅く、過去2回出場したセンバツは、いずれも初戦で負けていて、3回目の出場で初勝利を目指します。
高松商(香川)<四国>
▼所在地:香川県高松市
▼創立:1900年 県立
▼センバツ出場回数:4年ぶり28回目
▼学校・チームの特徴
去年夏の甲子園をわかせ、プロ野球・巨人にドラフト1位で入団した浅野翔吾選手のような飛び抜けた選手はいないものの、粘り強い戦いで、再び、甲子園出場を決めました。2年生で夏の甲子園も経験した、身長1メートル90センチに迫る長身のエース・大室亮満投手を中心とした、タイプの異なる複数の投手陣を、四国大会4試合でエラーわずか1つの堅い守備がもり立てます。
高知(高知)<四国>
▼所在地:高知県高知市
▼創立:1899年 私立
▼センバツ出場回数:2年連続20回目
▼学校・チームの特徴
創立から120年以上の歴史を誇り、地元では「学園」の愛称で親しまれています。センバツではこれまでに優勝1回、準優勝1回の実績があります。去年秋の四国大会では準決勝までの3試合でヒット31本、機動力も絡め19得点と打線がつながりベスト4に入りました。投手陣も力のある選手を複数そろえます。OBには、プロ野球・阪神の森木大智投手などがいます。
沖縄尚学(沖縄)<九州>

▼所在地:沖縄県那覇市
▼創立:1983年 私立
▼センバツ出場回数:9年ぶり7回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の九州大会では準々決勝と準決勝でいずれもサヨナラ勝ちして勢いに乗り、9年ぶりに優勝を果たしました。決勝でヒット13本をマークするなど高い攻撃力が持ち味です。センバツでは、これまで優勝2回の実績があります。
比嘉公也監督や野球部員、それに保護者など70人あまりが集まり、インターネットで配信される出場校の発表の様子を見守りました。そして、出場が決まったことが発表されると、選手たちはクラッカーを鳴らすなどして喜びを分かち合いました。比嘉監督は「全国優勝を目指している。目に見えないエラーやミスが出ないよう指導していきたい」と話していました。
長崎日大高(長崎)<九州>
▼所在地:長崎県諌早市
▼創立:1967年 私立
▼センバツ出場回数:2年連続4回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の県大会で優勝し、九州大会でも準優勝を果たして、センバツの切符をつかみました。攻守の要はキャッチャーで中軸を務める豊田喜一選手です。サッカーのワールドカップカタール大会で日本代表を率いた森保一監督の母校です。
海星(長崎)<九州>
▼所在地:長崎県長崎市
▼創立:1892年 私立
▼センバツ出場回数:7年ぶり6回目
▼学校・チームの特徴
去年秋の九州大会は守備力を持ち味に、いずれも1点差で2試合を勝ち上がりベスト4に進出しました。甲子園は去年夏に続く2季連続の出場です。阪神の平田勝男ヘッドコーチなどプロ野球で活躍した多くの卒業生がいます。
大分商(大分)<九州>
▼所在地:大分県大分市
▼創立:1917年 県立
▼センバツ出場回数:3年ぶり7回目
▼学校・チームの特徴
地元では「だいしょー」の愛称で親しまれる創立100年を超える伝統校です。去年秋の九州大会では投手陣の継投策でベスト4に入りました。卒業生の西武の源田壮亮選手や、広島の森下暢仁投手などがプロ野球で活躍しています。
◆ことしの出場枠(36校)
【一般選考(例年より4校増 33校)】
地区ごとの出場枠です。
▽北海道が「1」▽東北が1つ増えて「3」▽関東・東京は、関東の枠が1つ増えて合わせて「7」▽東海が1つ増えて「3」▽北信越が「2」▽近畿は、大阪桐蔭高校が去年秋の明治神宮大会で優勝したため、1つ増えて「7」▽中国・四国は、四国の枠が1つ増えて合わせて「6」▽九州が「4」。
【21世紀枠(例年と同じ3校)】
◆ことしの選考 変更点は
出場校の選考をめぐっては、去年、東海地区で前年秋の地区大会で準優勝した静岡の聖隷クリストファー高校が選出されず、ベスト4だった岐阜の大垣日大高校が、個々の能力が勝るなどとして選ばれたことで、選考の在り方が大きな議論を呼びました。

このため、ことしの選考から変更された点があります。
【1 ガイドラインを新設】
高野連=日本高校野球連盟などでは、センバツ改革検討委員会で、高校野球の元監督や外部の有識者と議論を重ね、去年7月に選考基準を明確にしたガイドラインを新たに設けました。このガイドラインで、評価のポイントとして示したのは、主に3つの点です。
▽秋の大会の試合結果と試合内容をもとに評価し、その割合は同じ程度とする。
▽技術面のみならず、野球に取り組む姿勢や、大会をとおしての成長ぶりなども評価の対象とする。
▽複数の学校の評価が並んだ場合は、できるだけ多くの都道府県から出場できるよう『地域性』も考慮する。
地域性を考慮することが初めて明文化され、ことしの選考にどのような影響があるのかが注目です。
【2 余裕を持った日程に】
選考委員会にかける時間が去年より1時間長くなりました。議論に余裕を持たせるためで、選考委員会は、去年より30分早い午前8時半に始まって、各地区ごとの小委員会などで議論が行われます。出場校の発表は、去年より30分遅い午後3時半からの総会で行われます。
【3 高野連会長が発表】
発表方法も変更されます。去年までは、選考の進め方などが各小委員会に一任され、それぞれの委員長が選出した学校を発表してきましたが、ことしは、高野連の寶馨会長が小委員会からの報告を受け全体状況を確認したうえで、みずから選出した学校を発表し、理由などを説明する新しい形式がとられます。
【4 “吉報電話”はなし】
高校野球の春の訪れを知らせる風物詩にもなっていた、出場校への電話連絡が行われないことになりました。高野連とともに大会を主催する毎日新聞などが、インターネットで選考委員会を中継することになっていて、候補校では、学校関係者や選手たちが、その様子を見守ることになります。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230113/k10013949111000.html