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大相撲 番付編成会議 幕下優勝の落合 所要1場所で十両昇進へ

相撲 2023年1月25日(水) 午後3:23
大相撲 番付編成会議 幕下優勝の落合 所要1場所で十両昇進へ

ことし3月に行われる大相撲春場所に向けた番付編成会議が開かれ、初場所で7戦全勝の成績を収めて優勝した幕下15枚目格付け出しの落合が、昭和以降で初めて所要1場所で新たに十両に昇進することが決まりました。


日本相撲協会は25日、春場所の番付編成会議を開き、宮城野部屋の落合と片男波部屋の玉正鳳を新たに十両に昇進させることを決めました。

このうち、落合は鳥取県倉吉市出身の19歳。

相撲の強豪、鳥取城北高校では2年連続で「高校横綱」となりました。

高校卒業後は、アマチュアの大会で優勝した実績から幕下15枚目格付け出しとして、今場所初土俵を踏み、突き押しでも四つに組み合っても力強い相撲で白星を重ね、7戦全勝で幕下優勝を果たしました。

幕下15枚目以内で7戦全勝した力士は、ほかの力士の成績などその場所の状況にもよりますが、翌場所は十両に昇進する慣例があり、所要1場所での十両昇進は昭和以降で初めてとなります。

また、玉正鳳はモンゴル出身の29歳。

18歳で来日し、平成23年の秋場所で初土俵を踏みました。

所属する部屋の閉鎖に伴って移籍を繰り返し、3年前に義理の兄、玉鷲が所属する片男波部屋に移籍して稽古を積んできました。

去年の九州場所で幕下優勝を果たしたあと、初場所は東の幕下筆頭で迎え、4勝3敗の成績を残していました。

このほか、二所ノ関部屋の友風と幕内での優勝経験がある木瀬部屋の徳勝龍が再び十両となりました。

友風は令和元年の九州場所で右ひざに大けがを負い、その後6場所連続で休場して一時は番付を序二段まで落としましたが、今回、およそ3年ぶりの関取復帰となります。

元横綱の稀勢の里が二所ノ関親方になって以降、二所ノ関部屋の力士としては初めての関取です。

徳勝龍は去年の九州場所で負け越して平成24年の初場所以来の幕下転落となりましたが、今回、1場所での十両復帰となりました。

大相撲春場所は3月12日に大阪府立体育会館で初日を迎えます。


落合「横綱になるという夢をかなえたい」


大相撲春場所で十両に昇進することになった落合は25日、記者会見に臨み「自分自身も1場所で上がれると思っていなかったので、うれしい気持ちと感謝の気持ちがある。もっと頑張らないといけないという、身が引き締まる思いだ」と喜びを語りました。

また、7戦全勝した今場所を振り返り「経験したことがないくらい精神的、肉体的に疲れが出た。プロの世界で活躍している人がいかにすごいか実感したので、もっと強くならないといけない」と話しました。

今後は師匠で元横綱 白鵬の宮城野親方の指導のもと、左四つの型を磨きながら稽古に励むということで「強くなって幕内で優勝して、師匠を泣かせたい。大相撲で横綱になるという夢を持ってずっと相撲を続けてきたので、いつかその夢をかなえたい」と意気込みを力強く語りました。


元横綱 白鵬の宮城野親方「自分のことのようにうれしい」


落合の新十両昇進の会見に同席した、師匠で元横綱 白鵬の宮城野親方は「きょうの知らせはほぼないと思っていたので、本当ににうれしいし、運がよかった。謙虚で勉強熱心で人間力あふれる弟子で、自分のことのようにうれしい」と笑顔で喜びを語りました。

今月28日に断髪式を行う宮城野親方は、師匠になってからは初めての新十両会見で、場所前、まげがあるうちに会見を臨むのが夢だと話していて、「これ以上のプレゼントはないと思うし、落合に感謝している」と話しました。

さらに今場所の相撲の内容にふれて「組んでよし、離れてよしという相撲だが、これからいっぱい修正するところはある。まずは左四つの型を自分のものにして、その型をベースに押したり突いたり四つになって投げたり、そういう豪快な相撲を取ってほしい」と話しました。

そのうえで「自分が大相撲を引っ張っていくという気持ちで頑張ってほしい。まずは十両で勝ち越して、一つ一つ番付を上げてほしい」と期待を寄せました。

師匠としての意気込みについては「1場所で関取になったのが落合だけなので、そういった意味でも期待は大きいし、同時に責任感を感じている。落合とともに一生懸命頑張って横綱を目指したい」と話していました。


玉正鳳 初土俵から11年余で十両「昇進遅かった分 長く取りたい」


初土俵から11年余りとなることし3月の大相撲春場所で十両に昇進することになったモンゴル出身の玉正鳳が記者会見し「昇進が遅かった分、長く相撲を取りたい」と意気込みを話しました。

玉正鳳は18歳で来日して平成23年の秋場所で初土俵を踏み、2年後には幕下に昇進しましたが、その後はなかなか番付を上げることができませんでした。

しかし、去年の九州場所で幕下優勝を果たし、続く初場所では東の幕下筆頭で4勝3敗の成績を収め、初土俵から11年半となる3月の春場所で十両に昇進することになりました。

所要68場所で新十両となるのは、外国出身力士として歴代で2番目に遅い記録です。

玉正鳳は25日、東京 両国の国技館で記者会見し「長かった。うれしい気持ちをどうやって表していいか分からないほどうれしかった」と満面の笑みで喜びを語りました。

去年の九州場所では大関経験者の朝乃山に勝っていて「自分のできるものをぶつけていこうと思った。勝てたことで自信がついた」と振り返りました。

一方、所属する部屋の閉鎖に伴ってこれまで4つの部屋に在籍してきたことについては「最初は苦労していると思っていたが、いろいろな人に出会っていろいろなことを教えてもらい、感謝の気持ちだ」と振り返りました。

3月に30歳となる玉正鳳は、兄弟子で義理の兄でもある幕内最年長の玉鷲を引き合いに出し「38歳で元気でばりばり相撲を取っているので、自分もまだまだ30歳と若い気持ちが出てくる。昇進が遅かった分、長く相撲を取りたい」と意気込みを話しました。

師匠の片男波親方は「自分との戦いに勝てたものが結果を出せると思っているが、いろいろな部屋で刺激を受けてきた経験を生かせたのではないか」と弟子の昇進を喜んでいました。


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