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ワールドカップ アメリカがイランに勝ち決勝Tに進出 グループB

サッカー 2022年11月30日(水) 午前10:15
ワールドカップ アメリカがイランに勝ち決勝Tに進出 グループB

サッカーワールドカップカタール大会、1次リーグ、グループBのイラン対アメリカはアメリカが1対0で勝ち、このグループの2位で決勝トーナメントに進みました。

【詳しいデータはこちら】イラン0-1アメリカ


https://www3.nhk.or.jp/news/special/fifa_worldcup/matches_schedule_results/game/1130_03.html



試合は、ドーハにあるアルスマーマスタジアムで、日本時間30日の午前4時から行われました。



アメリカは前半、イランの堅い守りを前に決定的な場面を作れなかったものの、38分、右サイドのセルジーニョ・デスト選手がヘディングでゴール前に送ったパスに反応したクリスチャン・プリシッチ選手が左足でシュートを決め先制しました。

前半は1本のシュートもなかったイランは後半、繰り返しチャンスを作り6本のシュートを打ちましたが最後までゴールは奪えませんでした。



アメリカは1対0で今大会初勝利をあげ、1次リーグは1勝2引き分けの勝ち点5でグループ2位となり、2014年ブラジル大会以来となる決勝トーナメント進出を果たしました。

イランは1勝2敗の勝ち点3でグループの3位となり、6回目の出場で初の決勝トーナメント進出はなりませんでした。


政治的に対立する両国 スタジアム周辺で大きなトラブルなし


決勝トーナメント進出をかけて、政治的に対立するアメリカとイランの対戦となったグループBの最終戦では、スタジアム周辺で大きなトラブルや混乱はありませんでした。



ドーハにあるアルスマーマスタジアムで行われた試合の前には会場の入り口周辺で、それぞれのチームを応援するサポーターが国旗を身にまとったり、応援歌を歌ったりしていました。

中には、アメリカとイランのサポーターが一緒に記念撮影をする場面もありました。

試合はアメリカが前半に挙げた1点を守り切って決勝トーナメントを決める展開となり、試合のあとスタジアム周辺は、イランのサポーターどうしの小競り合いはあったものの、両チームのサポーターが衝突するような大きなトラブルや混乱はありませんでした。



アメリカから来た男性は「政治的な違いはあるが、試合の前にはたくさんのイランの人と写真を撮った。すごくフレンドリーでこれがワールドカップのポジティブなところだ」と話していました。

またイラン人の男性は「きょうはみんなで一緒にサッカーを見た。政治的なことは関係ない。愛と平和が大事だ」と話していました。

イラン代表を応援しに来た女性は「私たちみんなスポーツのために来たし、すごくいい雰囲気だった。大事なのは私たちが楽しむことだ」と話していました。


国外在住のイラン人からは応援できないと訴える声も


アメリカと対戦したイランではことし9月、スカーフのかぶり方が不適切だとして警察に逮捕された女性が死亡し、これに抗議するデモが続いています。

試合が行われたカタールのドーハを訪れたイランのサッカーファンからは母国で抗議デモが続く中、代表チームを応援できないと訴える声も聞かれました。

イギリス在住だというイラン人の男性は「複雑な心境です。自分の国がプレーしていても、勝ってほしいとは思いません」と話していました。

またアメリカ在住のイラン人の女性は「イランでは40年以上も女性が抑圧されています。私たちは政権交代を望んでいます」とイラン政府を批判していました。

このほか会場の周辺では、抗議デモのスローガンとなっている「女性、命、自由」ということばが書かれたシャツを身につけ、抗議の意思を示す男性の姿も見られました。


イラン 決勝トーナメント進出逃す 国内の反応は


イランの首都テヘランでは、市民がカフェに集まって試合を観戦し、代表チームを応援しました。

そして、アメリカに負けて決勝トーナメント進出を逃すと、一斉に大きなため息をつき、落胆していました。

22歳の男性は「いい試合だったが、残念なことに期待したような結果にはならなかった」と肩を落としていました。

また34歳の男性は「イラン代表は決勝トーナメントに進む実力があったし、ベストを尽くしたと思う。しかしアメリカのほうがうわてだった」と話していました。

一方、イラン国内では、スカーフのかぶり方をめぐり逮捕された女性が死亡したことに抗議するデモが9月以降続き、デモの支持者たちが「代表チームは政権側だ」として応援をボイコットするよう呼びかけていました。

このため今回の試合結果を受けてSNSでは「悪名高いチームが負けた」とか「あなたたちはアメリカ、イングランド、それにイランの人々に負けたのだ」などと、代表チームの敗北をやゆする書き込みも相次いでいます。


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