高安 3度目の優勝争い逃す 千秋楽まで2敗 大相撲九州場所

大相撲九州場所の千秋楽、単独トップで臨んだ高安は平幕の阿炎に本割、優勝決定戦と連敗してまたしても賜杯を手にすることはできませんでした。
高安はこれまで何度も優勝争いに絡みながら最後で涙をのんできました。
ことしの春場所では、関脇 若隆景との優勝決定戦で土俵際あと1歩のところで逆転負けを喫し、先場所も玉鷲と優勝を争ったものの、千秋楽の直接対決で屈しました。
玉鷲に敗れた後「優勝できなかったが、何度でも挑戦したい。この気持ちを忘れないでもう1回鍛える」と誓い、前頭筆頭に番付を上げた今場所、3度目のチャンスがすぐに巡ってきました。
千秋楽を単独トップの2敗で迎え高安は勝てば優勝だった本割での阿炎との取組を「決めるという覚悟でせいいっぱい取った」と振り返りました。
威力のある突き押しで阿炎を追い込みましたが、粘る相手をあと1歩、押し切れず、たまらずはたいたところで形勢が逆転。
突き倒されて真っ逆さまに土俵下に落ち、大関 貴景勝も含めた3人による優勝決定戦となりました。
くじ引きで決まった最初の取組はまたも高安と阿炎の対戦。
高安は立ち合いで左に大きく動いた阿炎のはたきにつんのめるように落ち、勝負が決まった直後しばらく動けずにうずくまりました。
体を支えられながら土俵を降り、その後の取材には「大丈夫です」とだけ答えました。
またしても優勝を目前で逃した高安は優勝決定戦について聞かれると少しの無言のあと「落ちてしまった自分が悪い」と悔しさをにじませ「稽古が足りないということ。もう1回鍛えます」と厳しく向き合っていました。
1年納めの九州場所は悔しさの残る12勝3敗で終え「本当に実りのある年で成長できたと思いますし、勉強になりました。ことしは前向きな相撲が取れました。必ず上を目指して、せいいっぱい頑張りたいと思います」と締めくくりました。
稽古を人一倍重ねる努力の人は、「今度こそ」の思いを胸に来年に臨みます。