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フィギュア GPファイナル 中止決定 外国人の新規入国停止で

2021-12-02 午後 08:44

  

日本スケート連盟は2日、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスの影響で日本の水際対策が強化されたことなどを受けて、今月9日から大阪府で開催される予定だったフィギュアスケートの国際大会、グランプリファイナルを中止すると発表しました。

GP ファイナル 2年連続の中止


大会をめぐっては南アフリカで確認された新たな変異ウイルス「オミクロン株」の影響で日本政府が外国人の新規入国を原則停止するなど水際対策を強化したため海外選手の受け入れなどについて日本スケート連盟やスポーツ庁など関係機関で対応を協議してきました。

その結果、2日午後5時すぎに日本スケート連盟は今月9日から12日の日程で行われる予定だったフィギュアスケートのグランプリファイナルを中止すると発表しました。

グランプリファイナルはグランプリシリーズの成績上位の選手が出場する国際大会で、来年の北京オリンピックの日本代表の選考などにも関わる大会です。

去年の大会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となり、ことしは2年ぶりに大阪 門真市で男子シングルに世界選手権3連覇中のアメリカのネイサン・チェン選手、女子シングルに今シーズン世界最高得点をマークしたロシアのカミラ・ワリエワ選手など海外のトップ選手が参加して開催される予定でした。


GPファイナルとは


フィギュアスケートの「グランプリファイナル」は国際スケート連盟が主催する国際大会です。

ことし10月から11月にかけて開かれた6つのグランプリシリーズの大会の成績をもとに男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスのそれぞれ上位6位までが出場します。

去年は北京オリンピックのテスト大会としてオリンピック本番の会場で開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。


鍵山優真、宇野昌磨らが出場予定も


グランプリファイナルに進出を決めていたのは、日本勢では男子シングルでグランプリシリーズのイタリア大会とフランス大会を制した18歳の鍵山優真選手。



ピョンチャンオリンピックの銀メダリストで、NHK杯で優勝した宇野昌磨選手の2人です。



女子シングルではNHK杯で優勝した坂本花織選手、ペアではアメリカ大会で2位、NHK杯で3位に入った三浦璃来選手と木原龍一選手が日本選手どうしのペアとしては初めてとなるグランプリファイナル進出を決めていました。



海外勢では男子シングルで世界選手権3連覇中のアメリカのネイサン・チェン選手、女子シングルで2大会で優勝し、世界最高得点をマークしたロシアの15歳、カミラ・ワリエワ選手などが出場を予定していたため、来年の北京オリンピックのメダル争いを見据えて世界トップレベルの選手が顔をそろえる大会として注目されていました。


北京オリンピック 代表選考基準は…


グランプリファイナルは、来年2月に開催される北京オリンピックのフィギュアスケート日本代表の選考基準となる大会の1つです。

日本スケート連盟はことし7月、北京オリンピック日本代表の選考基準を発表しました。このうち3つの出場枠を獲得している男女シングルについては、1人目は今月の全日本選手権で優勝した選手を最優先で選ぶとしていますが、2人目と3人目についてはグランプリファイナルに出場した日本選手のうち上位2人も選考基準に入るとしています。

また、連盟では新型コロナウイルスの影響で選考に関わる大会が延期されたり実施されなかったりした場合は、再度、選考基準を設定するとしていました。


北京五輪 日本代表選考はどうなる


日本スケート連盟によりますと、今回のグランプリファイナルには、海外選手や練習拠点を海外に置いている日本選手、それにスタッフなど合わせて172人が来日する予定だったということです。

北京オリンピック日本代表の選考基準となる大会の1つが中止となったことを受けて、連盟では今後、選考基準を設定し直す場合は理事会を開いて対応するとしています。

また、12月22日からは代表選考に関わる全日本選手権が埼玉県で開催される予定ですが、海外の練習拠点からまだ帰国していない選手がいることから、帰国便や隔離期間などについて連盟はスポーツ庁などと協議しているということです。


国際スケート連盟「開催は非常に困難」


ISU=国際スケート連盟は、今回のグランプリファイナルの中止について、ホームページ上でコメントを発表しました。

このなかで、新たな変異ウイルス「オミクロン株」に対する水際対策などの影響を踏まえたうえで「渡航の禁止や安全上の懸念、感染状況などを考慮すると、イベントの開催は非常に困難だった。日本スケート連盟などは、解決策を見つけるために最善を尽くしたが、残念ながら計画どおりにイベントを開催することができないと結論付けた。イベントを開催できなくなったことを残念に思う」と、日本での開催中止という決定に理解を示しました。

そして「ISUは今シーズンの終わりに、替わりとなる大会を開催する可能性を検討し、できるだけ早く決定を下したい」とコメントし、中止となった今回のグランプリファイナルの替わりとなる試合を、今シーズン中に開催する可能性について言及しました。


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