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ヤクルト “絶対 大丈夫” 一枚岩で勝ち取った日本一

2021-11-28 午前 01:13

  

セ・リーグの球団として9年ぶりに日本一に輝いた、ヤクルト。去年まで日本シリーズを制したパ・リーグの球団のような圧倒的な強さはなかったものの、安定した投手陣とつなぐ野球で連日の接戦を制し頂点をつかみました。

特徴は“つながり”


「このチームの特徴は“つながり”だ。ピッチャーのつながり、打線のつながり。これはわれわれにしかできない野球だ。絶対に勝つ」

日本シリーズ開幕直前、高津臣吾監督は選手やチームスタッフにこのように呼びかけました。



そのことばに応え、まずは先発投手陣がしっかりと試合を作りました。
第1戦は高校卒業2年目の20歳、奥川恭伸投手が抜てきに応えて7回1失点の好投。第2戦は24歳の高橋奎二投手がプロ初の完封勝利と、若手が結果を出しました。



その勢いに乗って第3戦は、31歳の小川泰弘投手、第4戦はチーム最年長と41歳の石川雅規投手と若手と中堅、そしてベテランが互いに刺激しあうように試合を作り、3連勝で一気に日本一に王手をかけました。



そして第6戦は30歳の高梨裕稔投手が5回途中1失点と粘りを見せ、そこからはピッチャー4人でつないでオリックスに追加点を許さず延長を制しました。
なかでも抑えのマクガフ投手は延長10回途中から2回、イニングをまたいでの力投でした。


“つなぐ野球” 実践した攻撃陣


攻撃ではリーグトップの513個のフォアボールを選んだ打線が接戦の中、つなぐ野球を実践しました。



象徴的なシーンが第2戦。
7回までヒット3本に抑えられていたオリックスの宮城大弥投手から8回に西浦直亨選手がフォアボールを選んだのをきっかけに、一塁二塁のチャンスを作り、39歳のベテラン、青木宣親選手が詰まらせられながらもしぶとくセンター前に運び1点をもぎ取りました。



さらに第4戦でも同点の6回、2アウトから5番のサンタナ選手が低めのボールを見極めてフォアボールを選び、続く6番の中村悠平選手と7番・オスナ選手の連続ヒットで決勝点を奪いました。

日本一を決めた第6戦も延長12回、2アウトから打線がつながっての勝利でした。


“絶対大丈夫”


もう1つ、チームを精神的に支えた「絶対大丈夫」という合言葉がありました。

2点のリードを守れず逆転サヨナラ負けし喫した第1戦。
3連勝で王手をかけながら、リリーフが打たれ、東京で日本一を決められなかった第5戦。
オリックスに傾きかけた流れを断ち切っての日本一。

レギュラーシーズン中、高津監督が選手たちに力強く語ったことばでした。

「周りのチームメートを信じ、チームスワローズが一枚岩でいったら絶対崩れることはない。絶対大丈夫」

選手たちは日本シリーズの大舞台でそのことばどおりに崩れず“一枚岩”になり20年ぶりの頂点に輝きました。


高津監督 試合後インタビュー 【全文】


20年ぶり6回目の日本一に輝いたヤクルト高津臣吾監督の試合後のインタビューの全文です。



ー神戸の夜空を舞った気持ちは
「本当に苦しいシーズンを過ごしてきました。昨年、一昨年と最下位に沈んで非常に難しいシーズンだったので喜びも何倍も大きいと思います。すごくうれしいです」

ー第6戦は相手がエースの山本由伸投手。どんな思いでゲームに臨んだのか
「もちろん勝つ気でみんなグラウンドに立ってくれたと思います。なかなかチャンスも、得点もなかなか難しいピッチャーですけれども、なんとか打つほうも投げるほうもみんなでつないで、延長にはなりましたけれども、なんとか勝つことができました」

ー先発の高梨投手がいいピッチングをして僅差のゲームになった
「高梨から始まり、最後マクガフまでみんながそれぞれ持ち味をしっかり発揮してすばらしい投球をしてくれたと思います」

ー延長12回表、代打 川端選手のタイムリー
「シーズンからずっと、彼のひと振りに頼りっぱなしでね、本当にもうアウトになることが許されない、勝つことがなくなってしまうという場面で、決して当たりはよくなかったですけども、本当に当たりはよくなかったですけど、いいバッティングだったと思います」

ーこのシリーズ、しびれるゲーム展開ばかりだった
「やはりセ・リーグの意地もありますし、やはりオリックス・バッファローズ、非常に強かったです。簡単には点を取らせてくれませんし、なかなか抑えるのも難しかった、非常によいチームだと思いました」

ー監督は神戸で95年の最後、抑えで胴上げ投手に。それ以来の胴上げだった
「そうですね。まあ、あの寒かったですね。でもみんな熱く燃えてグラウンドに立ってくれた結果が、きょうのこの結果だと思います」

ー最下位からの日本一。改めてどんな思いか
「本当に応援してくれたファンの皆さん、そして選手諸君、球団スタッフの皆さんに心から感謝、感謝、感謝です」

ー第6戦は5時間というゲームでした。ファンへの思いは
「スワローズファンの皆さん、そして、日本プロ野球ファンの皆さん、1年間本当に応援ありがとうございました。なんとか日本一になることができました。また、まあ終わったばかりですけど、熱い戦いをね、これからプロ野球として見せていけるように、われわれもしっかり努力していきます。1年間本当に応援ありがとうございました」

ー高津監督、ファンにも浸透したあの言葉がありました。来年もどうか
「われわれは絶対崩れません。絶対大丈夫です。1年間応援ありがとうございました」


ヤクルト 日本一までの戦い


【第1戦】11月20日 オリックス 4-3 ヤクルト(京セラドーム大阪)
第1戦、今シーズンチーム最多に並ぶ9勝を挙げた2年目の奥川恭伸投手が、ことし沢村賞を受賞したオリックスのエース、山本由伸投手と互角に投げ合いましたが、3対1と2点リードで迎えた9回に抑えのマクガフ投手が1つのアウトも奪えず3失点し、3対4で逆転サヨナラ負けを喫しました。

【第2戦】11月21日 オリックス 0-2 ヤクルト(京セラドーム大阪)
7回まで両チーム無得点と緊迫した試合展開となりましたが、8回に、39歳の青木宣親選手のタイムリーヒットで先制し、9回にも追加点を挙げました。
投げては、先発した6年目の高橋奎二投手が、最後まで得点を許さず、プロ初の完封勝利。2対0で勝ち、対戦成績を五分に戻しました。

【第3戦】11月23日 ヤクルト 5-4 オリックス(東京ドーム)
東京ドームに場所を移して行われた第3戦は、3回に1点を先制され、このシリーズで初めて先制点を奪われました。
その後は点の取り合いとなり、3対4で迎えた8回、5番のサンタナ選手が日本シリーズ初ヒットとなるツーランホームランを打って逆転し、5対4で勝ちました。

【第4戦】11月24日 ヤクルト 2-1 オリックス(東京ドーム)
チーム最年長の41歳、石川雅規投手が先発し、ストレートと多彩な変化球をコースに投げ分ける巧みなピッチングで、オリックス打線を6回1点に抑えました。そして、石川投手がマウンドを降りた直後、同点の場面で7番のオスナ選手が勝ち越しのタイムリーヒットを打って2対1で勝利。
3連勝で日本一に王手をかけました。

【第5戦】11月25日 ヤクルト 5-6 オリックス(東京ドーム)
第3戦の勝ち投手になったリリーフの石山泰稚投手や2試合連続でセーブを挙げていた抑えのマクガフ投手などが打たれ、5対6で敗れました。

【第6戦】11月27日 オリックス 1-2 ヤクルト(ほっともっとフィールド神戸)
接戦となる中、同点で迎えた延長12回、今シーズン代打の切り札として腰のけがから復活を果たした川端慎吾選手のタイムリーヒットで決勝点を奪い、最後は抑えのマクガフ投手が抑えて日本一に輝きました。


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