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プロ野球 日本シリーズ第1戦 オリックスが逆転サヨナラで先勝

2021-11-21 午前 0:12

  

プロ野球の日本シリーズは20日夜、第1戦が行われ、オリックスがヤクルトに4対3で逆転サヨナラ勝ちしました。


ことしの日本シリーズは、ともにリーグ優勝しクライマックスシリーズを無敗で勝ち上がったオリックスとヤクルトの顔合わせとなり、第1戦が20日夜、京セラドーム大阪で行われました。

オリックスは、最多勝や最優秀防御率などピッチャーの主な4つのタイトルを独占したエースの山本由伸投手が先発し、150キロを超えるストレートとフォークボールを中心に、5回まで毎回の8つの三振を奪って得点を与えませんでした。

一方、ヤクルトも今シーズンチーム最多に並ぶ9勝をマークした2年目の奥川恭伸投手が、5回まで要所を締めて得点を与えず、試合は投手戦となりました。

このあと、ヤクルトが6回にキャッチャー中村悠平選手のタイムリーヒットで1点を先制したのに対して、オリックスは7回、代打のモヤ選手のソロホームランで同点に追いつきました。

そして、8回にはヤクルトが4番の村上宗隆選手のツーランホームランで再び勝ち越し、3対1とリードしました。

それでもオリックスは土壇場の9回、ノーアウト満塁のチャンスをつくり、2番・宗佑磨選手が2点タイムリーヒットを打って同点に追いつき、続く3番の吉田正尚選手がランナーをかえすツーベースヒットを打って、ヤクルトに4対3で逆転サヨナラ勝ちし、白星スタートしました。


オリックス 最後まで諦めない姿勢貫く


エースが6回でマウンドを降り劣勢に立たされたオリックス。

しかし、シーズン中から貫いてきた最後まで諦めない姿勢が勝利を引き寄せました。

今シーズンのオリックスはクライマックスシリーズファイナルステージでも9回の土壇場で引き分けに持ち込むなど、最後まで諦めないことを徹底して、日本シリーズの舞台まで勝ち上がりました。

必勝を期して初戦のマウンドに上がったエースの山本由伸投手は、微妙なコントロールに苦しみ相手の粘りもあって、6回までに112球。

先制点を許してこの回でマウンドを降りました。

しかし、その山本投手が「まだ試合は残っているし、チームの逆転を信じてしっかり応援します」と試合中に残したコメントがチームの姿勢を表していました。

劣勢のまま9回、2点を追うオリックス。

先頭の紅林弘太郎選手がヒットで出塁。

ここで代打はジョーンズ選手。

今シーズンは代打での打率が4割を超え、切り札として貢献してきました。

ツーストライクと追い込まれてから見極め、フォアボールを選びました。

さらに、1番の福田周平選手。

送りバントが相手の焦りを誘ってノーアウト満塁とチャンスを広げました。

ここで2番の宗佑磨選手。

「最後まで諦めない」と2点タイムリーヒットで同点。

さらに3番の吉田正尚選手。

日本シリーズ前日の取材では、「諦めずに最後まで戦い抜くということが大事になってくる」と話していました。

そのことば通りにサヨナラの一打。

中嶋聡監督は、「すべての選手が最後まで諦めなかったことが勝ちにつながった」とたたえました。

そして、「本当に最後まで応援してください。何かを起こします」とファンに誓った指揮官。

オリックスはシーズン中から実践してきた最後まで諦めない姿勢を見せ、25年ぶりの日本一へ勢いづく白星スタートを切りました。


サヨナラヒットの吉田選手「最後はしびれた」


9回にサヨナラのツーベースヒットを打ったオリックスの吉田正尚選手は、「最後はしびれました。宗選手が同点の2点タイムリーヒットを打ってこれまでにないくらい球場を盛り上げてくれたので、その勢いでいきました。なんとか抜けてくれて安心しました。しびれるゲームだったのでしっかり寝てあしたまた頑張ります」と話しました。


オリックス 中嶋監督「選手たちは最後まで諦めなかった」


オリックスの中嶋聡監督は「選手たちは平常心というよりも、がちがちに硬くなっていた。よく粘ったと思うし、すべての選手が最後まで諦めなかったことが勝ちにつながったと思う。これからも一つ一つしっかり戦って勝ちたい。相手も強いという印象を受けたがそれ以上の気迫で戦っていきたい」と話していました。


ヤクルト 絶対的エースから先制点奪うも…


ヤクルトはオリックスのエース、山本由伸投手から先制点を奪い、試合中盤でマウンドから降ろしたものの、9回が誤算でした。

相手の山本投手は、ことし5月からクライマックスシリーズも含めて16連勝中。

先発投手の4つのタイトルを独占した絶対的エースをどう打ち崩すかが大きなカギとなっていました。

打線は序盤から山本投手のキレのあるストレートや落差のあるフォークボールなどに苦しみ、得点を奪えない展開。

それでも高津臣吾監督が「打てないなりに選手たちからしっかり対策しようという姿勢は見えた」と語ったように、打ち取られてもなんとか食らいついてファウルで粘って球数を投げさせ、5回が終わった時点で山本投手の球数は95球に達していました。

そして6回、先頭の3番・山田哲人選手がワンストライクから低めのボールを4球連続で見極め、この試合最初のフォアボールを選び、さらに5番のサンタナ選手もフォアボールを選んで一塁二塁のチャンスを作りました。

そして6番の中村悠平選手がこの日、山本投手が投じた111球目をはじき返して先制点をもぎ取り、ヤクルトはこの回で山本投手をマウンドから降ろすことに成功しました。

このあとヤクルトは3対1とリードし、9回には今シーズン31セーブのマクガフ投手がマウンドに上がり、勝ちパターンの投手リレーで勝利は目の前かと思われました。

しかし、先頭にヒットを打たれると、続くバッターにはフォアボールを与え、さらには送りバントをフィルダースチョイスし1つもアウトを取れないまま満塁のピンチを招く大誤算。

そこから連打で逆転サヨナラ負けを喫し、大事な初戦を落としました。


ヤクルト 高津監督「奥川はよく粘った」


ヤクルトの高津臣吾監督は「奥川はよく粘っていいピッチングだった。少ないチャンスで点を取れたのはよかったが、最後がね。マクガフには難しいイニングを任せたし、全力でいった結果だ」と話していました。
そのうえで「これからも粘りの試合をやっていかないといけない」と次を見据えていました。


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