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オリックス 25年ぶりリーグ優勝 中嶋監督 巧みな選手起用光る

2021-10-28 午前 0:54

  

プロ野球、パ・リーグで、首位のオリックスは2位のロッテが27日夜の試合で敗れたため、25年ぶり13回目の優勝が決まりました。


オリックスは今シーズンの全試合を消化していて、残り3試合のロッテが1試合でも敗れればオリックスの優勝が決まる状況でした。

ロッテは27日夜、仙台市の楽天生命パーク宮城で楽天と対戦しました。

試合はロッテが1回、2アウト二塁で4番のレアード選手がタイムリーツーベースを打って先制しました。

先発の小島和哉投手は4回までヒット1本に抑えていましたが、5回に2アウトからフォアボールとヒットで一塁三塁とされ、楽天の9番太田光選手のタイムリーで同点とされました。

このあと8回に3人目の佐々木千隼投手が1アウト一塁二塁で代打の小深田大翔選手に決勝のタイムリーを打たれてロッテが1対2で敗れたため、オリックスの25年ぶりの優勝が決まりました。

オリックスの優勝は前身の「阪急」を含めて13回目です。

オリックスは昨シーズンまで2年連続最下位でしたが、就任1年目の中嶋聡監督のもと5年目の山本由伸投手が両リーグトップの18勝など圧倒的な成績を残し、主軸の吉田正尚選手と杉本裕太郎選手が打線を引っ張りました。


選手起用“1軍と2軍の垣根をなくす”


25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックスは今シーズン昇格した中嶋聡監督の巧みな選手起用が光りました。

今シーズン、中嶋監督が変えたのが1軍と2軍の垣根をなくすことでした。

これまで1軍と2軍で分かれていたコーチ陣の区別をなくし、チーム全体で1軍と2軍の選手を指導することにしたのです。

その結果、1軍と2軍の連携がスムーズになり調子のいい選手を積極的に起用できるようになりました。

こうした中、1軍に定着できなかった6年目の杉本裕太郎選手は今シーズン、4番に抜てきされ、ここまでリーグトップのホームラン数をマークするなど活躍しました。

また7年目の宗佑磨選手は外野からサードにコンバートされてレギュラーをつかんだほか、高校卒業2年目の宮城大弥投手が先発ローテーションに入るなど新たな戦力が台頭しました。

そのうえで選手のコンディションにも配慮し試合前の練習で行っていたシートノックを廃止し、疲れがみえる選手は練習メニューを軽めにしました。

投手陣も疲労を蓄積しないよう3日連続の登板を避け、50試合以上登板したピッチャーが12球団で最も少ない1人となっています。

こうしたコンディション対策が効を奏しオリックスは今シーズン、大きな連敗をすることなく、しれつな優勝争いを戦い抜きました。

中嶋監督の選手起用について、NHKプロ野球解説の梨田昌孝さんは「分厚い戦力ではないがうまく起用している。1年目の監督じゃないようないい采配をしていてチームが活性化している」と分析していました。


今シーズンの戦い


25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックスの今シーズンの戦いを振り返ります。

昨シーズンまで2年連続の最下位に沈んでいたオリックスは今シーズン、監督代行から中嶋聡監督が昇格しチームの立て直しを図りました。

中嶋監督が取り組んだのが課題だった打線の活性化です。

6年目の杉本裕太郎選手を4番に抜てきしたほか、高校卒業2年目の紅林弘太郎選手や7年目の宗佑磨選手などこれまで実績のなかった選手を積極的に起用しました。

上位打線が固定された5月の交流戦以降、打線がつながるようになり、去年はリーグ最低だった得点力が大きく向上しました。



投げては開幕投手の山本由伸投手が両リーグトップの勝ち星をマークしたほか、高校卒業2年目の左腕、宮城大弥投手がふた桁勝利をあげるなど投手陣を支えました。

投打がかみあったオリックスは交流戦で11年ぶりの優勝を果たすと、勢いに乗って前身の阪急時代となる37年ぶりの11連勝をして7年ぶりの首位に立ちました。

しかし、後半戦に入った9月にチームはピンチに立たされます。

打率リーグトップだった吉田正尚選手が左太もものけがで戦列を離れたのです。

打線の柱を失ったあと、1試合当たりのチームの平均得点が1点以上落ち込み、9月5日にはロッテに首位を明け渡しました。

それでも3週間後に吉田選手が復帰して迎えた9月下旬からのロッテとの直接対決で3連勝を飾り、その後、チームは首位を奪い返しました。

今月3日、デッドボールによるけがで吉田選手が再び離脱しましたが、チーム一丸となって戦い最終盤までもつれたロッテとの優勝争いを制しました。


前回優勝から25年間の歩み


12球団で最も優勝から遠ざかっていたオリックス。前回の優勝からこれまでの25年間の歩みです。

前回の優勝は平成8年。阪神・淡路大震災のよくとしのこのシーズンは「がんばろうKOBE」を合言葉に、仰木彬監督のもと、被災地・神戸を勇気づけようとチーム一丸となって戦いました。

9月23日に本拠地で行われた試合でこの年、3年連続首位打者に輝いたイチロー選手のサヨナラヒットで2年連続のリーグ優勝を決めました。

日本シリーズでも長嶋茂雄監督率いる巨人を4勝1敗で破って19年ぶりの日本一に輝きました。

しかし、その後は優勝から遠ざかりました。

平成12年のオフにイチロー選手が大リーグに移籍し柱を失ったチームは低迷。

たび重なる監督交代もあって4位以下の成績が続きました。

平成12年以降で3位以上だったのは平成20年と平成26年の2回で、最も優勝に近づいたのが平成26年でした。

この年は最多勝の金子千尋投手と最優秀中継ぎの佐藤達也投手、それに最多セーブの平野佳寿投手など強力な投手陣でシーズン序盤から優勝争いを続けました。

首位・ソフトバンクにゲーム差なしの2位につけたオリックスは10月2日の直接対決で引き分け以上で優勝へのマジックナンバーが点灯する大一番を迎えましたが、延長10回にソフトバンクにサヨナラ負けを喫し、あと一歩で優勝を逃しました。

その後は3位以上は1回もなく、昨シーズンまで2年連続で最下位に終わるなどこの25年間で最下位は9回を数えていました。


中嶋監督「みんなが歴史を作ってくれた」


オリックスの中嶋聡監督は京セラドーム大阪で行われた会見で「25年間、優勝できていなかったことがクローズアップされていたので、何とかして今の選手に優勝という経験を積んでもらいたいと思っていた。選手個々の力はほかのチームにひけをとらないので、試合運びさえ、うまくやれば勝てると思っていた。選手一人一人の力を結集してみんなが歴史を作ってくれた」と選手をたたえていました。


山本「全員で勝ち取った優勝」


ここまで勝利数や防御率などでリーグトップの活躍をみせたオリックスの山本由伸投手は京セラドーム大阪で行われた会見で「1年間、戦い抜いて全員で勝ち取った優勝なので喜びがより大きい」と優勝した今の気持ちを話しました。

今シーズンの自身の成績については「去年までは調子の波が大きいことが課題だったが、だいぶん克服できてレベルアップを実感できてうれしい。トレーナーや裏方などいろんな方のサポートがあって自分の実力以上の数字を残せた」と感謝していました。


吉田「優勝で終えることができ非常にうれしい」


打率リーグトップの活躍で打線を引っ張った選手会長の吉田正尚選手は京セラドーム大阪で行われた会見で「レギュラーとしての責任を感じて毎年が勝負と思ってプレーしていた。ことしは優勝という形で終えることができて非常にうれしい」と笑顔を見せました。

デッドボールを受けて右手を骨折し、今月3日からチームを離れている吉田選手は「大事なときに離脱して何とも言えない気持ちだった。テレビで応援していたが伝わってくるものあった。クライマックスシリーズにはチームに戻れるようベストを尽くしたい」と話していました。


宮城「今後の自信につながる」


高校卒業2年目でここまでリーグ2位の13勝をマークしたオリックスの宮城大弥投手は京セラドーム大阪で行われた会見で「喜びを分かち合えて本当にうれしい。シーズンが始まる前は不安が多かったが、終わってみれば1年間投げられたことは今後の自信につながる」と振り返りました。

そのうえで「終盤はここいちばんという大事な時に打たれたり、負けたりすることが多かった。クライマックスシリーズと日本シリーズでは調整して頑張りたい」と意気込みを語りました。


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