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エンジェルス 大谷翔平 ルース以来の快挙かけ先発登板へ

2021-09-20 午前 0:13

  

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、103年ぶりとなる「ふた桁勝利、ふた桁ホームラン」の達成をかけて、日本時間の20日朝、先発登板します。


大谷選手は、ここまでピッチャーとして9勝2敗、バッターとしてはホームラン44本を打っていて、日本時間の20日午前5時すぎから本拠地アナハイムで行われるアスレティックス戦で勝ち投手になれば「野球の神様」と言われるベーブ・ルース以来、103年ぶりとなる「ふた桁勝利、ふた桁ホームラン」を達成します。

大谷選手は、当初予定されていた18日の試合の先発登板を右腕の張りのため回避していましたが、18日ブルペンで32球を投げて状態を見た結果、急きょ20日の登板が決まりました。

19日の試合前にはキャッチボールで調整したほか、室内のバッティングケージに入って不調に苦しんでいるバッティングの練習も30分ほど行っていました。

大谷選手は、アスレティックス戦では今シーズン2試合に登板して0勝1敗ですが、いずれも相手の本拠地でのマウンドで、エンジェルスの本拠地で対戦するのは今シーズン初めてです。

大谷選手は今シーズン、本拠地のマウンドでは6勝0敗、防御率1.99と好成績を残していて、中8日の登板で大リーグの歴史に残る快挙に挑みます。

NHKでは20日の試合のもようを午前5時からBS1で中継でお伝えします。


マッドン監督「投打で出場させるつもり」


エンジェルスのマッドン監督は、試合前の会見で、翌日に先発登板する大谷選手について「現段階では、投打で出場させるつもりだ。きのうの練習でも非常によかったので、あすは特に制限をかけるつもりはない」と話し、球数などを制限せずに登板させる考えを示しました。

また、右腕の張りの状態については「今回、大谷は『sore』だと言ったが、それはそこまで悪い状態ではない。『pain』なら悪い状態。今回は『sore』だったので登板を飛ばして様子を見ることにした」と説明していました。


今季の道のり


大谷選手は大リーグ4年目のことし、投打の二刀流でほぼ休みなくフル回転で出場を続けて、「ふた桁勝利、ふた桁ホームラン」の快挙まであと1勝に迫っています。

バッティングでは、開幕2戦目のホワイトソックス戦で今シーズン1号を打つなど4月だけで8本を打って早くも5月6日のレイズ戦で2シーズンぶりのふた桁ホームランを達成しました。その後もホームランを量産して前半戦だけで33本まで伸ばし、日本選手のシーズン最多記録を更新する快進撃を見せました。

オールスターゲーム後の後半戦はペースにかげりが出てきていますが、ここまで44本と日本選手初のホームラン王をねらえる位置につけています。

一方、ピッチャーとしての初勝利は、今シーズン3回目の登板だった4月26日のレンジャーズ戦で、右ひじを手術する前の2018年5月以来、およそ3年ぶりに勝ち投手となりました。

この試合ではベーブ・ルース以来100年ぶりに「ホームラン数トップの選手が先発登板」し、話題となりました。その後は、好投してもリリーフ陣が打たれる試合が続くなどしてなかなか勝ちがつかず、前半戦は13試合に登板して4勝1敗で折り返しました。

後半戦に入ってからは長いイニングを投げる機会が増えて勝ちを重ね、先月18日のタイガース戦では自己最長の8回を投げて8勝目をあげました。

そして、今月3日のレンジャーズ戦で自己最多となる117球の力投で7回を2失点に抑えて自身8連勝で9勝目をあげ、大リーグで自身初のふた桁勝利に王手をかけました。


103年前 ベーブ・ルースの記録


1918年、当時レッドソックスに所属していたベーブ・ルースは主にピッチャーとしてプレーし、20試合に登板して13勝7敗、防御率2.22の成績をマークしました。

当時は指名打者制がなかったため、登板日以外は休養しながら外野やファーストなどで出場し、バッターとしては打率3割、ホームラン11本、61打点で初めてホームラン王のタイトルを獲得しました。

この年は第一次世界大戦の影響でレギュラーシーズンが9月1日に打ち切られ、レッドソックスが行ったのは126試合、このうちルースが出場したのは95試合で、現在の162試合制よりも少ない中での達成でした。

ルースは1919年にも当時のホームラン記録を大幅に更新する29本を打ちましたがピッチャーとしては9勝で、2年連続の「ふた桁勝利、ふた桁ホームラン」は逃しています。

1920年にヤンキースに移籍してからはほぼバッターに専念し、1935年に引退するまでに当時の大リーグ記録の通算714本までホームランを積み重ねました。


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