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パラリンピック車いすラグビー 日本 初戦でフランスに逆転勝ち
2021-08-25 午後 11:14

東京パラリンピックで金メダルの期待がかかる車いすラグビーの日本代表は都内で行われた予選リーグの初戦でフランスと対戦し、53対51で逆転勝ちしました。
車いすラグビーの日本代表は前回のリオデジャネイロパラリンピックで初のメダルとなる銅メダルを獲得したあと、3年前の世界選手権では初優勝を果たし東京パラリンピックでは初の金メダルをめざしています。
東京 渋谷区にある国立代々木競技場では25日、車いすラグビーの予選リーグが始まり世界ランキング3位の日本は世界6位のフランスと対戦しました。
日本は序盤、パスをカットされていきなり2点を連続で奪われるとその後もミスが相次いで、リードを許す苦しい展開となりました。
ただ、その後はキャプテンの池透暢選手の正確なパスを起点に得点を重ねながら逆転のチャンスをうかがいました。
そして、最終の第4ピリオドに粘り強い守備で相手にパスをさせずに反則を誘うなど残り3分余りで逆転に成功するとその後はリードを守って53対51で逆転勝ちました。
予選リーグは4チームずつ2つのグループにわかれそれぞれ上位2チームが準決勝に進みますが、日本の最大のライバルで同じグループAに入る世界ランキング1位のオーストラリアは53対54でデンマークに敗れる波乱がありました。
日本は26日の予選リーグ2試合目でオーストラリアを破ったデンマークと対戦します。
キャプテン 池「仲間を信じてやった」
逆転勝ちで初戦を制した車いすラグビー日本代表のキャプテン、池透暢選手は「本当に苦しかった。でも、ここを落とすと自分たちの目標には届かないと思い、仲間を信じてやるべきことをやりました。きょうは悪いわけではありませんでしたが、この精度ではまだ上には到達できないということもわかったので、次のデンマーク戦に向けて精いっぱい努力したい」と話していました。
「予選リーグの中で最も重視」していた世界6位との初戦
東京パラリンピックで初の金メダル獲得を目指す、車いすラグビーの世界ランキング3位の日本代表が、予選リーグで最も重視していたのが世界6位のフランスとの初戦でした。
3大会連続でのパラリンピック出場となったエースの池崎大輔選手は「パラリンピックというのは本当に特殊な雰囲気がある。特に緊張しやすい初戦でプレッシャーや雰囲気に飲まれない、いつもどおりのプレーをして、5日間の大会に向かって流れを作れるかが大事だ」と、その重要性を説明していました。
日本はおととしの国際大会でフランスに51対42で勝っていますが、およそ1年10か月、国際大会に出場できない中で迎えた本番に向けて、直近の相手のデータが少ないことにも危機感を募らせていました。
そのため、池崎選手は過去の国際大会の試合などをチェックして、イメージトレーニングを行っていて、「戦術は変わっていると思うが、選手個人の動きやくせは大幅に変わることはない。この選手は誰にパスを出しやすいとか、切り返すときは左が多いなど特徴を頭に入れるようにしている」と話していました。
試合は池崎選手の予想どおり前半、相手にリードを許すなど苦しい展開となりましたが、終盤に巻き返して逆転勝ちし、金メダルへ向けて上々の滑り出しとなりました。