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オリンピック レスリング女子 土性沙羅 メダル獲得ならず

2021-08-04 午前 0:15

  

東京オリンピック、レスリング女子68キロ級、土性沙羅選手が3位決定戦で敗れ、2大会連続のメダル獲得はなりませんでした。


前回、リオデジャネイロ大会で金メダルを獲得した土性選手は、2日に行われた1回戦でアメリカの選手に敗れましたが、この選手が決勝進出を決めたことから敗者復活戦にまわりました。

3日の敗者復活戦では中国の選手に勝って3位決定戦に進みました。

3位決定戦ではウクライナのアラ・チェルカソワ選手と対戦し、土性選手は前半、相手の堅い守りになかなか攻めることができず、残り30秒を切ったところで相手に倒され、そのままフォール負けを喫しました。

土性選手は2大会連続のメダル獲得はなりませんでした。

レスリング女子68キロ級は、金メダルが1回戦で土性選手に勝ったアメリカのタミラ マリアナ・ストック メンサ選手、銀メダルがナイジェリアのブレッシング・オボルドゥドゥ選手、銅メダルはウクライナのアラ・チェルカソワ選手と、キルギスのメーリム・ズマナザロワ選手でした。


土性「支えてくれた人に感謝」


土性沙羅選手は「最後だったので、思いっきり攻めに行って銅メダルを取るつもりでした。こういう結果になって6分間を戦い切れなくて悔しいです。ここまで支えてくれた人に感謝します」と話しました。

また、これまでを振り返り「負けが続いたり、けがが増えたりしてひとりではここまで来られなかったです。またオリンピックのマットに立ててよかったです。何倍も成長できたと思います」と話していました。


苦難の5年


この5年間、苦しみ抜き、それでも前に進んできた土性沙羅選手は「レスリング人生のすべてを出し切る」と臨みましたがメダルには届きませんでした。

前回の金メダリストとして臨んだ土性選手。初戦はアメリカのタミラマリアナ・ストックメンサ選手と対戦しました。おととしの世界チャンピオンで優勝候補の筆頭でしたが、土性選手が圧倒される姿は全くの予想外でした。
みずから攻めることがほとんどできず、わずか2分余りで0対10のテクニカルフォール負け。完敗でしたが、土性選手は下を向きませんでした。

「がむしゃらに何が何でもメダルだけは取って帰れるようにという気持ちで頑張りたい」

苦しい状況でも決して諦めない姿勢。
それはこの5年間、土性選手が歩んできた道のりに重なります。リオデジャネイロ大会で金メダルを獲得して以降、けがが相次ぎ、得意のタックルに入ることができなくなりました。思うように結果が出ない時期が続きましたが、決して腐ることなく、ひたすら努力を続けてきました。

この1年は、かつてのように正面から飛び込むタックルだけでなく、組み手で崩して横から攻めるタックルや相手にプレッシャーをかけてからのカウンターを磨き、復調のきっかけをつかんでいたところでした。

想定外の完敗からわずか1日、敗者復活戦に臨んだ土性選手はしっかりと気持ちを切り替えていました。
相手は2018年のジャカルタアジア大会、金メダリストの中国の選手。長い手足を生かした、カウンターがうまく、中途半端にタックルに入れば返し技を受ける危険性がありましたが土性選手は勇気を持って攻め続けました。
「全部出し切るつもりだった」と防がれても何度も飛び込んでいきました。

正面から飛び込むだけではなくしっかり組み手で有利を取り、横から崩す練習どおりの戦い方で完勝。「攻めるレスリング」を取り戻し東京オリンピックで遠かった1勝を挙げ、ようやく笑顔を見せました。

「今までのレスリング人生でやってきたことの全部出しきるという気持ち。絶対、メダルを持って帰れるように試合したいと思います」

ただ、土性選手が前に進んでいたのと同じように世界のレベルも上がっていました。3位決定戦、ウクライナの選手との試合は前半2分33秒でまさかのフォール負け。メダルには届きませんでした。

試合後「負けが続いたり、けがが増えたりしてひとりではここまで来られなかったです。またオリンピックのマットに立ててよかったです。何倍も成長できたと思います」と苦しんできた5年間、支えてきてくれた人たちへの感謝の言葉を述べた土性選手。このオリンピックで感じた悔しさが、また1つ大きな財産となったはずです。


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