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オリンピック BMX 2人分の夢を乗せて オーストラリア 榊原爽

2021-07-31 午後 01:20

  

東京オリンピックの自転車、BMXレーシング。この種目に2人分の夢を背負って臨んだ選手がいます。


BMXレーシングのオーストラリア代表の21歳、榊原爽選手は、3歳年上の兄、魁さんとともに、第2の祖国、日本で開かれる東京オリンピックを目指してきました。

日本人の母親を持つ2人は、子どものころ、母親の実家がある東京で6年間を過ごし、そこで「自転車の格闘技」とも言われるBMXを本格的に始めました。

しかし、ともに世界トップクラスの選手に成長し夢に手が届きかけていた去年2月、魁さんがレース中の転倒で一時、意識不明の重体となり、榊原選手は魁さんのリハビリを手伝いながら、兄の分まで走ると誓って練習を重ねてきました。

大会8日目の30日、榊原選手は3本のレースの順位を競う準決勝に臨みました。
8人のうち上位4人が決勝に進める中、1本目は5位でしたが、2本目はスタートから攻めの走りを見せ、1位になりました。

3本目、榊原選手は、またも好スタートを切りトップに立ちましたが、3つ目のカーブにさしかかる手前で追い上げてきた選手と接触して転倒し、担架で搬送される事態となりました。



幸いにも大きなけがはありませんでしたが、決勝進出はなりませんでした。

「ごめんね。みんな見ていてくれてありがとう」

レース後、榊原選手は電話で魁さんや家族に伝えました。
そして、SNSに投稿した動画では「全力を出せたことを誇りに思います。必ず帰ってきます」と、新たな決意をにじませました。

東京大会できずなを深めたきょうだいの夢は、3年後のオリンピックに向けて続きます。


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