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オリンピック 体操 村上茉愛 重圧から解放された“笑顔”

2021-07-30 午前 11:13

  

東京オリンピック、29日に行われた体操女子の個人総合で、村上茉愛選手は日本選手として過去最高となる5位に入りました。団体ではキャプテンの重圧に悩みましたが、個人総合では持ち前の笑顔で、のびのびとした演技を見せました。

“プレッシャー”と“責任”


リオデジャネイロオリンピックから2大会連続出場の村上選手。団体では、前回の4位を超える表彰台を目指して、キャプテンを任されましたが、これまで長くキャプテンとしてチームをけん引してきた、1つ年上で親友の寺本明日香選手が代表から外れ、大きなプレッシャーと責任を感じてのオリンピックでした。

24歳の村上選手は、団体の代表を務めるのは初めての経験ですが「これまでは寺本選手がいるから演技で引っ張ればいいと思っていたけど、今回はそうはいかない」と、積極的に声をかけるなど、代表が決まってからはチームを第一に練習を積んでいました。

迎えた東京オリンピック、25日の予選では、キャプテンとしての重圧を抱え込みすぎて、顔も体もこわばって、自分の持ち味を生かした演技ができませんでした。
段違い平行棒ではほとんど経験したことがない落下のミスをするなど、納得のいく演技が出せませんでした。

予選は個人総合が23位。チームのほかのメンバーもミスが出たあとの気持ちの切り替えがうまくいかず、再び失敗することがあり、団体が8位と予選通過ぎりぎりの順位でした。

27日の団体決勝、村上選手は自分の演技のことよりも、年下のメンバーたちを励ますことに力を入れました。

この日、日本の選手たちは切り替えがうまくいき、本来の力を発揮するとともに、失敗も少なくなって5位と健闘しましたが、村上選手は段違い平行棒で再びミスをするなど、満足いく演技ができませんでした。


解き放たれた“笑顔”で


29日の個人総合の決勝の前、メンバーから「茉愛さん、きょうは自分のためだけに楽しんで演技をしてきてください」と背中を押されました。



村上選手は団体のキャプテンの重圧から解き放たれ、笑顔で演技に臨みました。
3種目でのびのびとした演技を見せ最後の段違い平行棒も大きなミスなくやり通しました。

4種目の合計得点は56.032。1種目14点の平均で、4種目で56点を目指してきた村上選手は、目標の得点を獲得して、日本選手のこの種目過去最高の5位となりました。



村上選手は試合後「どんな演技をしても自分だけの責任なので、何も失うものもないし、思い切ってできた。本当に楽しんで演技したいと覚悟を決めてやってきたので、すごく楽しかった」と笑顔で話しました。

村上選手が出場を残しているのは種目別のゆかの決勝。そのゆかは29日の個人総合で14.000をマークし、全体トップの得点でした。

メダルの期待もかかるゆかの決勝は8月2日です。


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