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オリンピック 入江聖奈 メダル確定 ボクシング女子で初

2021-07-28 午後 06:52

  

東京オリンピック、ボクシング女子フェザー級の準々決勝で、入江聖奈選手がルーマニアの選手に判定勝ちして、ベスト4に勝ち残り、銅メダル以上が確定しました。 日本のボクシング女子のメダル獲得が決まったのは、これが初めてです。


ボクシング女子フェザー級の入江選手は28日の準々決勝で、ルーマニアの選手と対戦しました。

第1ラウンドから打ち合いとなる中、入江選手が軽快なフットワークを生かし、正確なパンチを相手に当てていきました。

第2ラウンドも試合を優位に進めましたが、第3ラウンドでは相手の反撃に攻め込まれる場面もありました。

入江選手はルーマニアの選手に3対2で判定勝ちし、ベスト4に勝ち残りました。

ボクシングには3位決定戦がなく、入江選手の銅メダル以上が確定しました。

ボクシング女子に日本は今大会、初めて選手が出場しています。日本のボクシング女子のメダル獲得が決まったのは、これが初めてです。

入江選手の準決勝は今月31日に行われ、イギリスの選手と対戦する予定です。


入江「やってきたことすべて出し 金メダルとりたい」


日本のボクシング女子で初めてのメダル獲得が決まった、入江聖奈選手は「20年間しか生きていないが、いちばんうれしい。勝利が決まった瞬間は込み上げてくるものがあった。きょうは本当に緊張して、ごはんがのどを通らないほどだった。ボクシングをしていて本当によかったと思う」と心境を話しました。

続く試合に向けて「ここでジタバタしても何にもならない。自分がやってきたことをすべて出して、金メダルをとりにいきたい」と気を引き締めていました。


コロナに揺れながらのメダル獲得


女子フェザー級の入江聖奈選手は俊敏なステップワークや左ジャブが持ち味で、おととしの世界選手権では初出場でベスト8に入りました。

そして、去年3月のアジア・オセアニア予選では準優勝して、オリンピックの代表内定を勝ち取りました。

その勢いのままに去年開催される予定だった東京オリンピックでも活躍が期待されていました。

しかし、新型コロナウイルスの影響で、オリンピックは史上初めての延期。
オリンピックの開催について国内で賛否が分かれる中、入江選手をことし6月取材しました。

このとき入江選手にどのような東京オリンピックを思い描いていたのかを聞くと「世界中の人が集まって、お祭りみたいに歓声が飛び交う」というものでした。

入江選手に心境を尋ねると「自分が試合をすることが、そこまで望まれていないというか…。こういう状況でメダルを取ることができたとしても、国民の皆さんが喜んでくれるのかな…と考えてしまう」と話し、揺れる気持ちを隠しませんでした。

それでも入江選手は、勝負に対する思いを捨てませんでした。

「応援して下さる友達や監督、コーチなど、いろいろな人の支えがあってここまで来ることができた。『大会の意義が揺らいだから金メダルは意味がない』と、なげやりになるのは失礼だと思う」、すべてのアスリートの思いを代弁し、そして揺れる自分に言い聞かせるように話しました。

ボクシング女子として、フライ級の並木月海選手とともに日本で初めてオリンピックに出場しました。

1回戦、2回戦、そして28日の準々決勝を突破して、メダル獲得を決めました。

大会前に心が揺れた20歳は、気持ちを奮い立たせて本番では勝負に徹するアスリートの使命を果たし、「日本のボクシング女子初のメダル獲得」という歴史に名を刻む成績を残しました。


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