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オリンピック テコンドー女子 3大会連続出場の濱田 1回戦敗退
2021-07-25 午後 10:54
東京オリンピック、テコンドー女子57キロ級で、3大会連続出場の濱田真由選手は1回戦で敗れました。
千葉市の幕張メッセで行われたテコンドー女子57キロ級は、3大会連続出場でメダル獲得を目指す濱田真由選手が、1回戦でニジェールの選手と対戦しました。
濱田選手は、2ポイントをリードされた第2ラウンドの残り時間わずかのところで、中段への蹴りを決めて同点に追いつきました。
第3ラウンドでは中段に蹴りを決めて一時リードしましたが、終盤立て続けにポイントを奪われ、6対11で敗れました。
このニジェールの選手が次の試合で敗れ、敗者復活戦に回ることはできず、濱田選手は日本のテコンドーで2000年のシドニー大会以来5大会ぶりとなるメダルを獲得することはできませんでした。
テコンドー女子57キロ級、金メダルはアメリカのアナスタシヤ・ゾロティッチ選手、銀メダルはロシアオリンピック委員会のタチアナ・ミニナ選手、銅メダルは台湾の羅嘉レイ選手とトルコのハティジェ・キュブラ・イルギュン選手でした。
※「レイ」は、偏が「令」、つくりが「羽」の旧字体
股関節の痛み乗り越えて迎えた東京大会
濱田選手は長年、股関節の痛みに悩まされてきました。股関節のけがは脚を鋭く柔軟に使うテコンドー選手にとっては致命傷になりかねません。
このため、濱田選手は前回、リオデジャネイロ大会の次の年の2019年2月、股関節の手術に踏み切りました。
大きな決断の代償は少なくありません。難しい調整を強いられました。
「手術のあと、最初の1年は基本的な動きしかできなかった」と振り返ります。
刻一刻近づく本番を前に、なかなか実戦形式の稽古ができません。もどかしい日々が過ぎていきました。
濱田選手を駆り立てたのは、自国で開催されるオリンピックで結果を残したいという強い思いでした。
「目標に届かなかったロンドン(5位)、リオデジャネイロ(準々決勝敗退)とは全然気持ちが違う。東京という大舞台でしっかり決めたい」と気持ちが揺らぐことはありませんでした。
大会は、新型コロナウイルスの影響で濱田選手にとっては幸いともいえる1年延期。
実戦形式の稽古ができるようになったのはことし3月。ここから急ピッチで準備を進めてきました。
「相手が蹴りにくいように動きを封じながら、試合の流れの中で技をしっかり決めたい」と攻守に神経を研ぎ澄ませた濱田選手。
本番に向けては得意の上段蹴りを決めるための駆け引きをどうするかに心を砕いてきました。
3大会連続出場のオリンピックとなった濱田選手は25日の1回戦、アフリカ王者のニジェールの選手と対戦しました。濱田選手は事前の準備どおり、相手と距離を取ってチャンスをうかがう冷静な試合運びを見せました。
第3ラウンド、残り1分までは2点のリード。初戦突破はすぐそこでした。
「相手が疲れていると思ったので、いけると思った」という濱田選手。
しかし、ここからたたみかけることができませんでした。逆に立て続けに蹴りを決められ、逆転負け。
初戦敗退という悔しい結果に終わりました。
試合後、濱田選手は「大会に臨むための準備はこれまでの中でいちばんできていた。試合でも悔いが残らないよう力を出し切れた」と、どこか納得しているような表情を見せました。
史上初のオリンピック延期をいわば追い風にして、逆境を乗り越えて出場した自身3回目の大舞台。目標のメダル獲得はなりませんでしたが、濱田選手がここまでたどり着いた過程には勝敗以上の価値がありました。