ニュースその他のスポーツ

東京オリンピック開幕 各国の立場や姿勢は?

2021-07-23 午前 06:10

  

新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京オリンピックは、23日開幕します。 参加する主な国の立場です。

スポーツ大国アメリカ 東京大会の開催を支持


アメリカのバイデン政権は、東京オリンピック・パラリンピックの開催を目指す日本政府の取り組みを一貫して支持する姿勢を示してきました。

バイデン大統領がことし4月に首都ワシントンで行った、菅総理大臣との日米首脳会談の共同声明では「安全・安心な大会を開催するための菅総理大臣の努力を支持する」と明記しました。

日本国内における新型コロナウイルスの感染状況が改善しない中でも、ホワイトハウスのサキ報道官は「われわれの立場は変わらない」と繰り返し述べ、日本側と緊密に連携する姿勢を強調してきました。

そして、23日夜行われる東京大会の開会式には、大統領夫人のジル・バイデン氏が出席します。

東京大会の開催を支持してきた背景には、アメリカ国内でワクチンの接種が進んで感染状況が一時期より改善し、開催を期待する声が高まっていることに加え、台頭する中国を念頭に、日本との同盟関係がかつてないほど重みを増していることがあります。

また、アメリカは世界最大の選手団を誇るスポーツ大国で、多くの大企業がIOC=国際オリンピック委員会とスポンサー契約を結んだりテレビ局のNBCが巨額の放送権契約を結んだりするなど、商業面でもオリンピックとの結び付きが強いという特徴もあります。

調査会社イプソスが先月上旬にかけて行った調査によりますと、アメリカ国民の52%が、新型コロナウイルスの感染が終息していなくても東京オリンピックは開催すべきだと答えているほか、およそ3人に2人にあたる66%が、オリンピックは国に団結をもたらすと考えています。


ロシア 国民の結束を強めるきっかけに


ロシアは、過去の組織的なドーピング問題を受け、来年12月まで、スポーツの国際大会に選手団を派遣できない処分を受けています。今回は厳しい条件を満たした選手に限って、ロシアという国の代表ではなく「ロシアオリンピック委員会の代表」として参加することが許されました。

このため国旗や国歌の使用も認められていませんが、選手のユニフォームは、国旗と同じ白・青・赤の3色でデザインされているほか、国歌の代わりとして、ロシアを代表する作曲家、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を使うことが認められました。選手たちにとっては事実上、国を代表しているというプライドをもって臨めることになります。

ただ、ロシア政府にとって国旗の掲揚も国歌の斉唱もできないということは、ロシアのイメージダウンを再び世界に印象づけることになりかねません。

プーチン大統領は、先月末に開かれた選手たちの壮行会の場で「スポーツを政治の問題にすることはいまも喫緊の課題となっている」と述べ、欧米がスポーツの分野で政治的な対立を持ち出していると暗に批判しました。

プーチン大統領は、これまでも国民の愛国心を高めることでみずからの求心力の向上につなげてきました。

かつてと比べて支持率にかげりが見えるなかプーチン大統領としては、「スポーツ大国」としての威信を取り戻そうと、人々の愛国心に訴え、国民の結束を強めるきっかけにしたいと考えているとみられます。


中国 過去最大規模の代表団派遣


中国は、来年2月に、冬の北京大会の開催を控える中、一貫して、東京大会の開催を支持してきました。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中でも、今回の東京大会には、国外で開かれる大会としては過去最大規模の代表団を派遣するなど、後押しする姿勢をみせています。

その背景には、東京大会をはずみとして、およそ半年後に迫る北京大会を円滑に開催したい狙いがあります。

中国外務省の趙立堅報道官は今月20日の記者会見で、「中国は、東京大会の成功の経験を引き継ぎ、国際社会とともに、安全で精彩を放つ大会を開催する自信がある」と述べ、北京大会の開催に重ねて自信を示しました。

とりわけ、北京大会を、共産党の指導のもと、新型コロナの感染を抑え込み、経済を回復させたことを象徴するイベントに位置づけることで、国威発揚を図りたい考えです。

来年秋には、共産党指導部の人事が行われる5年に1度の党大会が予定されていて、習近平国家主席としては、「党のトップは2期で引退する」という慣例を破って、3期目以降の続投につなげるためにも、北京大会の成功を大きな実績にしたいという思惑もあるとみられます。

ただ、アメリカは、各国に対し、新疆ウイグル自治区での人権状況などを理由に、選手団以外の首脳や政府関係者の参加を見合わせる「外交的なボイコット」を呼びかけていて、中国は、同調する動きが広がらないか、神経をとがらせています。


フランス 3年後のパリ大会に向けて


次回2024年のパリ大会を控えるフランス政府や大会の組織委員会は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の前から、日本政府や東京大会の組織委員会と緊密に連携を図ってきました。

新型コロナウイルスの影響で東京大会が1年延期され、一時、開催そのものを危ぶむ声が広がった時も、パリ大会の組織委員会は「日本の組織委員会が適切に判断し、開催を実現すると信じている」と開催を支持し続けてきました。

パリ大会の成功には、東京大会が確実に実施されることが欠かせないという考えからです。

フランスのマクロン大統領は東京大会の開会式への出席をいち早く表明し、パリ市のイダルゴ市長も、閉会式で聖火を引き継ぎ持ち帰ると意気込みを示しています。

パリなど各地では、東京大会の期間中、パブリック・ビューイングが開かれてフランス選手の活躍を中心に伝えることになっていて、3年後のパリ大会に向けて機運を盛り上げたい考えです。

ただ、変異ウイルスがフランスを含めて世界各国に広がる中で、新型コロナウイルスの脅威がパリ大会にどんな影響を及ぼすかは、今のところ見通せません。

パリ大会の組織委員会は、外国からの観客の受け入れや会場への入場制限など、東京大会で得られる教訓を生かし、予想されるさまざまな事態に備えるものとみられます。


関連キーワード

関連トピックス

最新トピックス