バドミントン | NHKスポーツ

バドミントンってどんなスポーツ？

〈バドミントンの基本的なルール〉

・1対1（シングルス）または2対2のペア（ダブルス）でシャトルを打ち合う。

・コート中央のネット越しに相手コートの規程エリア内へシャトルを打ち、得点を競う。

・試合中、規程の違反行為（フォルト）をすると相手に加点される。

・1ゲーム21点先取。20点で並んだ場合は、その後先に2点リードしたほうが勝ち。

・1試合3ゲーム行い、先に2ゲーム制した方が最終的な勝者となる。

試合に時間制限はなく、2ゲーム先取するまで選手たちの白熱した打ち合いが続きます。

相手の動きを読み合い、その裏をかくべく前後左右へと揺さぶる選手同士の駆け引きが見ものですが、相手のフォルトによる加点を狙ったトリッキーなプレーにも注目！選手たちの巧みなラケットさばきと、心理戦から目が離せません！

初速400km/h以上のスマッシュ！

バドミントンのシャトルの飛行速度は他の球技よりも速く、「世界最速のスポーツ」とも呼ばれています。

世界トップレベルの選手では、高い打点から勢いよく打ち下ろすショット（スマッシュ）が初速400キロ以上にも及ぶのだとか！

一方、半球のコルクと羽でできたシャトルは軽くて空気抵抗を受けやすく、勢いよく放たれたスマッシュも対戦相手に達するころには時速100km以下に減速。そんな緩急をいかに活かして攻めるかが、バドミントンの醍醐味でもあります。

混合ダブルスは粘り強さがカギ

バドミントンの種目には男女別に行われる「シングルス」、「ダブルス」のほか、男女ペアのチーム同士で戦う「混合ダブルス」があります。

混合ダブルスでは、腕力など身体能力にハンデのある女子選手に攻撃が集中することも…。しかしそこがチームワークの見せどころ！ピンチの局面で女子選手がいかに粘り強く打ち返せるか、そして男子選手がいかにフォローできるが勝敗のカギとなります。男女両選手のコンビネーション力に注目です！

さわるな危険！

バドミントンでは、規程の違反行為（フォルト）をすると相手へ加点されてしまうペナルティルールがあります。

フォルトには、相手選手への妨害行為や同じ選手によるシャトルの二度打ちをはじめ、シャトルがコート外の物や人、壁や天井、さらには自分の体や衣服に触れてもNG…などさまざま！また、ラケットや選手自身がネットに触れることや、ネットを超えて相手コート内に入ることもフォルトになるため、ネット周りの接近戦は危険がいっぱい！

フォルトか？攻撃成功か？ハラハラ・ドキドキの攻防戦が見ものです！

空気抵抗まで計算する？

「ヘアピン」「ドロップ」「カット」…まるでヘアサロンで使われていそうな用語ですが、これらは全て試合中に使われる打法のこと。

軽くて空気抵抗を受けやすいシャトルは、ラケットの握り方や角度、力の入れ具合によって軌道や速度の緩急を一瞬で変えることができるんです！

例えば、コート後方から思いきり打つと見せかけネット際にふわりと落とす「ドロップショット」や、コート前方から後方に打つと見せかけ、ネットすれすれにポトリと沈みこませる「ヘアピンショット」、打つ瞬間にラケット面に角度をつけ、予想外の方向へ打ち込む「カットショット」など、相手選手の意表をつく魔球のようなショットが豊富！

そんなフェイントプレーにも着目してみると、選手たちの駆け引き合戦を一層楽しめるはずです。

シャトル1つでガチョウ3羽？

バドミントンのシャトルの羽には、ナイロンなど合成素材でできたものとガチョウやアヒルなど水鳥の羽を使用した天然素材のものがありますが、大きな試合では一般的に後者の天然素材シャトルが使われます。

そんな競技用シャトルには全部で16枚の水鳥の羽がついていますが、羽の向きを一定にするため、ひとつのシャトルに左右の翼が交じることはありません。さらに、シャトルとして使える羽は左右各7枚の一部の羽のみ。つまり、シャトルをひとつつくるのに、なんと3羽もの水鳥が必要なのです！

その一方で、天然素材のシャトルはとってもデリケートで羽が折れやすく、1試合でシャトルを数十個交換することも…。羽の折れたシャトルを見ると、ガチョウやアヒルに申し訳ない気もしちゃいますね…。

午前と午後で飛距離が変わる？

試合球として使われる水鳥の羽でできた天然素材シャトル。わずか約5ｇと軽く、気温・気圧などに飛距離が左右されやすいという繊細な特徴があります。

一般的に気温が高いとよく飛び、気温が低いと飛びにくくなることから、気温差のある日は午前と午後でも飛距離が大違い！そんな環境による試合への影響を少なくするために、シャトルには7つのタイプがあるんです。その違いはシャトルの重さ！わずかな差ではありますが、7つのタイプにはそれぞれ適した気温の目安が設定されています。

気温でシャトルの飛距離が変われば、戦い方も変わる。そんな繊細な競技なのです！