千葉 一宮川流域の氾濫 “想定を大幅に上回る雨が要因”

去年9月の記録的な大雨で、千葉県を流れる一宮川の流域で発生した氾濫について検証していた県の有識者会議は、想定を大幅に上回る雨が降ったことが要因で、堤防工事の不備による影響は少なかったとする分析結果をまとめました。

去年9月の記録的大雨では千葉県茂原市などの一宮川の流域で氾濫が発生しましたが、当時、工事中の堤防の代わりとなる土のうの一部が十分に設置されておらず、千葉県が有識者会議でその影響などを検証していました。
5日の会議で結果が公表されそれによりますと当時、川の防災対策の基準の1.7倍以上もの大雨が降り、川の水位が上昇して堤防を越えたほか、雨水の排水も追いつかずに内水氾濫が起きて浸水が大きく広がったと結論づけました。
そのうえで、地形などを踏まえシミュレーションした結果、土のうが十分に設置されていたとしてもあふれた水の量は1割程度しか変わらず、影響は少なかったとする分析結果をまとめました。
座長の東京大学生産技術研究所の加藤孝明教授は「今後、流域全体で川に流れ込む水の量を減らす対策を考える必要がある」と話していました。