新紙幣発行 対応遅れる場所も キャッシュレス決済導入の店も

3日から新紙幣が発行されるなか、対応が間に合わずに影響を受けている場所もあります。

東京・墨田区にある銭湯では、入浴券の販売を現金だけが使える券売機で行っていて、新紙幣に対応するために1年前から券売機に取り付ける読み取り機を注文していました。
しかし、先月下旬になっても届かないことから業者に問い合わせたところ、注文が通っていないことがわかったということです。
銭湯では新たに機械を発注しましたが、「注文が相次いでいる」として届くのは早くても3か月後になると伝えられました。
このため、新紙幣を使う利用者には当面、番台でこれまでの紙幣に両替して対応することにしています。
銭湯ではこれまでの紙幣を新たに集めて両替に備えていますが、新紙幣の利用者が想定以上に多い場合は、再度調達する必要があると考えています。
「大黒湯」の新保卓也店長は「以前、五百円玉が変わったときは出回るスピードが早かった印象があり、今回の新紙幣もそうなるとお客様に迷惑をかけてしまう。新たな機械は早くて3か月後、遅いと来年になると聞いているが、なるべく早く対応してほしい」と話していました。

新紙幣に対応する両替機の更新費用の負担などを考慮して、電子マネーなどのキャッシュレス決済の導入を進める会社もあります。
東京や千葉でコインランドリーを経営する会社では、去年オープンした東京・新宿区の店舗で初めて現金の取り扱いをやめ、クレジットカードやQRコードなどのキャッシュレス決済に移行しました。
利用する人は通常1500円から2800円の料金を店舗に設置されたタブレットやスマートフォンのアプリから支払うことができて、百円玉を多く用意する必要がなくなります。
両替機の更新には人件費などを含めて1台あたりおよそ10万円かかり、こうしたコストの削減だけでなく両替機をなくすことで防犯上のリスクの軽減にもつながるとしています。
この会社が経営する21の店舗のうち、現金が併用できる店舗でも利用者のおよそ7割がキャッシュレス決済を使っていることから、今後は半数以上の12の店舗で両替機の更新は行わない方針です。
コインランドリーを運営する「wash−plus」広報の大田紀子さんは「新紙幣の対応には様々なコストがかかるので、これを機に完全キャッシュレスに踏み切りました。新紙幣の発行はキャッシュレスを推進するいいタイミングだと思います」と話していました。