「恵」が運営の障害者向けグループホームで利用者死亡 水戸

障害者向けグループホームを展開する「恵」が運営する水戸市内の施設で去年、63歳の利用者が食事中に食べ物をのどに詰まらせて死亡していたことがわかりました。
遺族は「このようなことが起きて本当に許せない。職員には人の命の尊さを感じていただきたい」と訴えています。

障害者向けグループホーム運営大手の「恵」をめぐっては、利用者の食材費の過大徴収など会社ぐるみで組織的に不正をしていたと厚生労働省が認定し、今後、全国99の事業所が順次運営できなくなる見通しになっています。
こうしたなか、「恵」が運営する水戸市の障害者向けグループホームの「ふわふわ水戸三湯町」で去年7月、利用者の手塚玲子さん(63)が食事中に食べ物をのどに詰まらせて死亡していたことがわかりました。
手塚さんの妹によりますと司法解剖の結果死因は窒息死で、警察が安全管理に問題がなかったか当時の状況を詳しく調べています。
妹の芳子さんは「食事は飲み込みやすいように刻んで出すことは支援計画にも書いてあったのにこのようなことが起きて本当に許せない」と話しています。
また、月に2回ほど施設に面会に行くとそのたびに担当の職員が代わっていたということで、「きちんと面倒を見てもらえているのか、とても気になっていました。社会的に弱い立場の利用者の扱いが雑だったのかなと感じています。姉も食事の時、放置されていたのではないか」と不信感を募らせていました。
そして運営会社「恵」に対する今回の措置について芳子さんは「職員には、姉の件も含めて人の命の尊さを感じてもらい、会社の不正についても責任者は重く受け止めてほしい」と求めました。

障害者向けグループホーム運営大手の「恵」をめぐっては、利用者の食材費の過大徴収に加えて、障害福祉サービスの報酬を不正に請求していたことが明らかになっていて、厚生労働省は会社ぐるみで組織的に不正をしていたと認定し、今後、全国99の事業所が順次運営できなくなる見通しになっています。
利用者が死亡したことを受けて警察の捜査が行われていることについて、株式会社恵は「その件について把握はしているが、警察の捜査中なので、詳しい内容についてはお話しすることができない」としています。