離着陸補佐の管制官 新たに主要空港配置へ 羽田空港事故で

離着陸補佐の管制官 新たに主要空港配置へ 羽田空港事故で

羽田空港で起きた航空機どうしの衝突事故を受け、安全対策を話し合う国の専門家委員会は、管制官の負担を軽減するため、離着陸の調整を補佐する管制官を新たに配置するなどの対策案をとりまとめる方針を固めました。
新たな管制官は、羽田や成田などの主要空港に配置するとしていて、来週、公表する予定です。

ことし1月に起きた事故を受け、直後に設置された国土交通省の専門家委員会は、これまで6回の会合を開いて安全対策を話し合っていて、関係者によりますと来週24日の委員会で対策案をとりまとめる方針を固めたということです。
管制官には上空の担当や滑走路の担当などがありますが、対策案では、滑走路担当の管制官に対し、離着陸の調整を補佐する別の管制官を1人ずつ新たに配置するということです。
現状では、滑走路担当の管制官は1人で1本の滑走路を受け持ち、地上で離陸を待つ航空機や関係車両、着陸のため近づいてくる上空の航空機などの状況を同時に把握して指示を出していて、こうした負担を軽減し、安全性を向上させるとしています。
新たな管制官は羽田や成田など全国の主要空港に配置するということです。
設備面では、航空機や車両が滑走路上にいる場合にランプが点灯してほかの航空機などに警告する「滑走路状態表示灯」を主要空港に導入するほか、現在も管制業務で使用している、機体の位置を確認するモニターに、音での警告機能を追加するということです。
一方、今回の事故では、出発の順番を意味する「ナンバーワン」ということばを、海上保安庁の航空機が離陸許可だと取り違えた可能性もあるとして、事故後は事前に出発順を伝えるのを取りやめていましたが、現場からの声に応じて再開するということです。
こうした対策案は専門家委員会でとりまとめられたあと、国土交通省が公表する予定だということです。