川崎市の社会福祉法人 前理事長を告訴 8億円余を私的流用か

川崎市は、特別養護老人ホームなどを市内で運営する社会福祉法人で、前の理事長による私的な流用が疑われる不正な行為があったと明らかにしました。
社会福祉法人は、私的流用の金額は少なくとも8億円にのぼるとしています。

川崎市によりますと、市内で特別養護老人ホームや保育園などを運営する「母子育成会」では前の理事長による架空請求や法人の資金の私的流用などが疑われる不正な行為が監査で確認され、ことし3月、法人に対して文書で改善指導を行いました。
監査は法人の内部調査をきっかけに行われたということです。
この問題で30日会見を開いた法人、は前の理事長が建設業者からキックバックを受けたり、私的な旅行代金を請求したりするなどの不正行為を長期間にわたって繰り返し、私的流用額は少なくともおよそ8億4700万円にのぼると説明しました。
法人によりますと、前の理事長は私的流用を認めたということです。
法人は、ことし3月前の理事長を解任し、先月、業務上横領の疑いで警察に告訴状を出したということです。
法人の千葉新也理事長は「市と連携しながら、うみをすべて出す姿勢で臨んでいます」と話しています。