拉致被害者家族が大規模集会「親世代存命のうちに帰国実現を」

拉致被害者家族が大規模集会「親世代存命のうちに帰国実現を」

北朝鮮に拉致された被害者の家族が都内で大規模な集会を開き、家族の高齢化が進む中残された時間はないとして親の世代が存命のうちにすべての被害者の帰国が実現するよう、政府の取り組みと北朝鮮の決断を求めました。

集会は拉致被害者の家族や支援者らが東京・千代田区で開き、岸田総理大臣などおよそ800人が参加しました。
はじめに、被害者の家族会の代表で、中学1年生の時に拉致された横田めぐみさんの弟の拓也さん(55)が「親世代で健在なのは有本恵子さんのお父様の明弘さん95歳。そして、私の母でもある横田早紀江、88歳の2人だけです。時間的制約のある人権問題、人道問題であることを改めて認識する必要があります」と訴えました。
その上で、日本政府に対し「どうか全拉致被害者の即時一括帰国という要求の水準を下げることなく、怒りの気持ちを強く持って交渉を続けてほしい」と求めました。
続いて、母親の早紀江さん(88)が北朝鮮のキム・ジョンウン総書記に対し「めぐみちゃんがどこでどうしているかも分からないままで、私たちは帰りを待っています。どうか心を変えてください。そこに元気でいる皆さんを親の元にお返しください。心からお願いをいたします」と訴えかけました。
また、22年前に帰国を果たした拉致被害者の曽我ひとみさん(64)はともに拉致され、いまも帰国できずにいる母親のミヨシさんについて「あすは母の日ですが、もう46年もの間、母にカーネーション1本、あげることができていません。いったい私たち親子が何をしたというのでしょうか。もう本当に時間がありません。拉致被害者全員が、家族のもとに、1日、1時間でも早く帰ってくることを願っています」と話しました。
集会ではすべての被害者の即時一括帰国を一刻も早く実現するよう政府に求めるとともに北朝鮮に対して被害者全員の帰国を決断するよう求める決議を採択しました。

岸田総理大臣は、北朝鮮に拉致された被害者の家族らが開いた集会に出席し、すべての被害者の一日も早い帰国のため、日朝首脳会談の実現に向けて働きかけをいっそう強めていく考えを強調しました。
この中で岸田総理大臣は「被害者家族もご高齢となる中、時間的制約のある拉致問題はひとときもゆるがせにできない人道問題だ。すべての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく全力で果断に取り組む」と述べました。
その上で「今こそ大胆に現状を変えていかなければならない。決して容易ではない課題に取り組むには、トップどうしが腹を割って率直に話し合える関係の構築が極めて重要で、私自身、条件を付けずに、いつでもキム・ジョンウン総書記と直接向き合う決意だ」と述べました。
そして「首脳会談を実現すべく私直轄のハイレベルでの協議を進めていくため、さまざまなルートを通じた働きかけをいっそう強めていく。お互いが大局観に基づき、あらゆる障害を乗り越え、ともに決断することを呼びかけたい」と訴えました。
また林官房長官は「岸田総理大臣の指示のもと、政府一丸となって努力していく。すべての拉致被害者を必ず取り戻すという断固たる決意を持って全力で取り組む」と述べました。