“太陽フレア”で磁気嵐観測 茨城 石岡 気象庁地磁気観測所

“太陽フレア”で磁気嵐観測 茨城 石岡 気象庁地磁気観測所

「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の巨大な爆発現象の影響で、茨城県にある気象庁の地磁気観測所では、11日未明から地球の磁場が乱れる「磁気嵐」が観測されています。

情報通信研究機構によりますと、今月8日から10日午後4時ごろまでに「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面での爆発現象の中でも最大クラスに分類される巨大な爆発が6回にわたって発生しました。
この影響で、気象庁は茨城県石岡市にある地磁気観測所で、地球の磁場が乱れる「磁気嵐」が観測されたと発表しました。
「磁気嵐」は11日午前2時5分から始まり、午後6時の時点でも続いているということです。
この間に観測された地磁気の変動幅は、最大で500ナノテスラを超え通常の1日の10倍を上回りました。
石岡市の観測所で500ナノテスラを超えたのは1991年3月以来で、変動幅としては、1924年に観測を始めて以降9番目の大きさです。
「磁気嵐」が起きると、通信などの障害が起きるおそれがありますが、影響の程度については現時点で不明だとしています。
11日も「太陽フレア」が発生したという情報があることから、「磁気嵐」は今後数日は続く見通しだということで、地磁気観測所は、注意深く監視していくとしています。
「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の巨大な爆発現象が今月8日から10日にかけてあわせて6回発生し、電気を帯びた粒子が地球に到達して地球の磁場が乱れる「磁気嵐」の発生が各地で観測されています。
今後、数日にわたって通信衛星やGPSなどに影響が出るおそれがあり、情報通信研究機構が注意を呼びかけています。

情報通信研究機構によりますと、今月8日から10日午後4時ごろまでに「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面での爆発現象の中でも最大クラスに分類される巨大な爆発が6回にわたって発生しました。
同じくらいの期間で6回の巨大な爆発が連続して発生したのは、2005年9月以来18年8か月ぶりだということです。
この「太陽フレア」によって、陽子などの電気を帯びた粒子が大量に放出されていて、地球の磁場が乱れる「磁気嵐」の発生が各地で観測されています。
これまでのところ大規模な通信障害などは確認されていないということですが、今後、数日間は通信衛星などの人工衛星やGPSの位置情報、それに短波の無線通信などに影響が出るおそれがあるとしています。
情報通信研究機構宇宙環境研究室の津川卓也室長は「予想していたよりも大きな磁気嵐が観測されている。人体に影響が出るほどではないが、GPSの利用や一部の無線通信などに影響が出るおそれがあるので、引き続き、数日は注意してほしい」と話しています。

「太陽フレア」とは太陽の表面で起きる巨大な爆発現象のことです。
「太陽フレア」のエネルギーはすさまじく、1度の大規模な「太陽フレア」で人類が使う電力の数十万年分に相当するほどです。
規模に応じて小さいものから順にA、B、C、M、Xの大きく5段階のクラスに分けられていて、今月8日から10日にかけてはXクラスのフレアが6回発生しました。
「太陽フレア」が起きるとガスや高エネルギーの粒子などが大量に放出され、早いものだと8分間で、遅くとも数日の間に1億5000万キロ離れた地球に届き、その際、地球を覆っている磁場に作用して地球の磁気を弱めることで地上では「磁気嵐」が観測されます。
この「磁気嵐」が起きているような状況では「オーロラ」が活発に見られるようになります。
「オーロラ」は地球の周辺を飛び交う高エネルギーの粒子が地球の磁力によって引き寄せられ大気とぶつかったときに光を放つ現象で、通常は北極や南極など緯度の高い地域でしか見ることができません。
しかし、「太陽フレア」によって「磁気嵐」が発生するとオーロラの活動領域が広がり、日本の北海道など、緯度が低い地域でも観測できる可能性があります。
一方で爆発の規模が大きい場合は通信衛星などの人工衛星やGPSの位置情報、短波の無線通信などに影響が出るほか国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士や高い高度を飛行する航空機が被ばくするリスクもあります。
おととし2月にはアメリカのスペースX社が高速インターネット接続サービス、「スターリンク」に使う衛星49基を打ち上げましたが、約8割の40基が失われたと発表されていてこの時は中規模の太陽フレアの発生が影響したと考えられています。
情報通信研究機構によりますと今回の太陽フレアについては人体の被ばくや携帯電話の通信・測位には影響はないとしていますが、高精度のGPSの利用や一部の無線通信などには影響が出るおそれがあるので、引き続き、数日は注意してほしいとしています。