海自ヘリ墜落事故 2機どうしは位置情報システムで結ばれず

海自ヘリ墜落事故 2機どうしは位置情報システムで結ばれず

20日、伊豆諸島沖で海上自衛隊のヘリコプター2機が訓練中に墜落した事故で、この2機どうしは互いの位置情報などを電波で共有するシステムで結ばれていなかったことが防衛省関係者への取材で分かりました。
複数の機体で飛行する際には、基本的にこのシステムで結ぶことになっていて、海上自衛隊が詳しいいきさつを調べています。

20日深夜、伊豆諸島の鳥島の沖合で海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機が潜水艦を探知する訓練中に墜落した事故では、乗っていた隊員8人のうち1人が死亡し、7人が行方不明となっています。
海上自衛隊によりますとこのヘリコプターには、目標の情報などをリアルタイムで共有するため、複数の機体を電波でつないで互いの位置情報などを共有する「僚機間リンク」と呼ばれるシステムが搭載されていますが、2機どうしはこのシステムで結ばれていなかったことが、防衛省関係者への取材で分かりました。
防衛省関係者によりますと、このヘリコプターが複数で飛行する際には、基本的に「僚機間リンク」で互いに結び、接近した際には警報音が鳴って衝突を回避するということです。
一方、目視やレーダーの情報でもほかの機体の位置を確認するということです。
海上自衛隊は2機が空中で衝突して墜落した可能性が高いとみて、「僚機間リンク」で結ばれていなかったいきさつなどを調べるとともに、行方不明となっている7人の捜索を続けています。