羽田空港アクセス線 工事予定地の「高輪築堤跡」 一部保存へ

羽田空港と東京駅などを結ぶ羽田空港アクセス線の工事予定地でおととし、見つかった石垣が国内初の鉄道の線路を敷くために築かれた「高輪築堤跡」と確認されたとして、JR東日本は一部を保存したうえで工事を進めることを決めました。

2031年度の開業に向けて工事が進められている羽田空港アクセス線のうち、東京・港区の田町駅周辺の工事予定地でおととし、石垣が見つかりました。
この石垣について港区教育委員会が調査したところ、明治5年に新橋・横浜間で国内初の鉄道の線路を敷くために築かれた「高輪築堤跡」と確認されました。
「高輪築堤跡」は南に1キロ余り離れた高輪ゲートウェイ駅周辺で見つかっていて、明治の文明開化を象徴する重要な遺構として2021年に国の史跡に指定されています。
JR東日本は今回見つかった築堤跡について専門家などと検討した結果、線路が地下にもぐる場所を変えることによって、工事と重なるおよそ160メートルのうち100メートルを地中に埋めたままの状態で保存することを決めました。
工事予定地ではほかにも鉄道の橋の台座や江戸時代後期の薩摩藩の砲台の可能性がある遺構も見つかっていて、記録を残したうえで工事を進めるということです。
JR東日本は羽田空港アクセス線の工期と開業時期に影響はないとしています。