千葉科学大学公立化 学園側“実現しなければ撤退ありうる”

千葉県銚子市の「千葉科学大学」が要望する公立大学への移行が可能かどうか検討する委員会の初会合が14日開かれました。
大学を運営する学園側は「移行が実現しなければ、撤退もありうる」と述べたのに対し、委員からは「委員会へのプレッシャーで、いかがなものか」と反発する声が出されました。

千葉科学大学は、銚子市が20年前、多額の費用を負担して誘致し、岡山県に本部がある学校法人「加計学園」が設置しましたが、長く定員割れの状態が続き、学園側は去年、「大学を存続させるため」として市に対して公立大学への移行を要望しました。
市は、有識者などによる委員会で移行が可能かどうか検討を行うことになり、きのう開かれた初会合で越川信一市長は「市が将来の責任を負うため、楽観的な見通しではなく、客観的なデータや知見に基づき厳しく精査する必要がある」とあいさつしました。
会合のなかで学園側は、8年前から赤字が続き経営は厳しい一方で、公立大学になればブランド力が高まり、国からの交付金も見込めるため、学生数の増加が期待できるなどとして、「移行が実現しなければ、来年度から学生の募集を停止し撤退もありうる」と述べました。
これに対し委員からは「『撤退』の発言は委員会への強烈なプレッシャーで、いかがなものか」と反発があったほか、大学の規模のスリム化はできないのかなどと質問が出されました。
また、地元の経済界などからは「地域にとっては大学が存続することが最も大事だ」とする意見も出されました。
初会合のあと、委員長を務める淑徳大学の矢尾板俊平教授は「若い世代の人口が減少するなか、公立大学に移行すればすべてがよくなるという時代ではない。市民にとっていい形となるよう議論していきたい」と述べました。
委員会は月に一度、会合を開き、ことし8月ごろをめどに答申をまとめることにしています。