海難救助向かった海上保安部小型ボートが転覆 4人けが 茨城

14日午前、茨城県大洗町沖の海上で海難救助に向かった茨城海上保安部の小型ボートが波にあおられて転覆し、乗組員3人と近くにいたサーファーの男性のあわせて4人がけがをしました。
乗組員らは自力で陸に戻り、命に別状はありませんでした。

茨城海上保安部によりますと、14日午前11時前、大洗町沖で「サーファーが陸に戻れなくなった」と118番通報がありました。
通報を受けて海上保安部が巡視船あかぎに搭載している小型ボートでサーファーの救助に向かいましたが、波にあおられて制御不能になり転覆したということです。
ボートに乗っていた海上保安部の乗組員3人は海に投げ出され、2人が打撲や唇を切る全治1週間のけがを負いました。
転覆の直前、ボートは近くにいた第三者のサーファーの男性に接触し男性は首を痛めるけがをしたということです。
乗組員3人とけがをしたサーファーの男性、それに、本来、救助対象だった男性のいずれも自力で陸に戻り、命に別状はありませんでした。
また、小型ボートは、海岸に漂着し、今後、回収するということです。
海上保安部によりますと、当時、風は3メートル、波の高さは2メートルほどで視界は良好だったということで、転覆事故の詳しい状況を調べています。
茨城海上保安部は「事故を発生させてしまったことは誠に遺憾です。調査を行い、原因や安全確保に不十分な点がなかったか検討の上、再発防止に努めます」とコメントしています。

現場近くの水族館の警備員によりますと、小型ボートが転覆し、乗組員たちは海に投げ出されたものの、自力で岩場にたどりついたということです。
陸に上がってきた乗組員たちはぐったりした様子で、中には口を切っていた人もいたということです。
警備員は「消防隊員などが『とにかく陸に上がれ』と必死に呼びかけたところ、乗組員たちが岩場にしがみついてきました。だいぶん海にもまれたので疲れてぐったりしている様子でした」と話していました。