東京都 五輪談合受け指名停止の2社に13億円超の事業を発注

東京オリンピック・パラリンピックをめぐる談合事件を受けて、指名停止となっている広告大手2社に対し、都が、入札を行わずに特定の業者を指名する「特命随意契約」でおよそ13億円を超える事業を発注していたことがわかりました。
都は「ルール上問題なく、著作権はこれまで契約してきた事業者にあることなどから変更できないと判断した」と説明しています。

都は、東京オリンピック・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件を受けて、広告会社やイベント制作会社の6社に対し、去年2月からことし8月まで都の発注事業の入札などに参加できなくする指名停止の措置を取っています。
このうち、広告大手の2社に対し、去年3月以降、入札を行わずに特定の業者を指名する「特命随意契約」で13億3000万円の事業を発注していたことが都への取材でわかりました。
都によりますと、内訳は「博報堂」が12億8000万円、「電通」が5000万円で、主な事業は都の魅力を発信するテレビ番組の制作・放送だということです。
都の要綱では、指名停止となった事業者と「特命随意契約」を結ぶことは禁止されておらず、都の担当者は「ルール上問題なく、都の魅力を発信するうえで事業者が制作に関わる番組を続けることが有効だと考えた。番組の著作権はこれまで契約してきた事業者にあることなどから変更できないと判断した」と説明しています。

入札制度に詳しい東京経済大学の中里浩教授は「今回の契約はルール上、正しいが、特命随意契約を選択するのであれば慎重な決定プロセスが必要だ。しかし、十分な検討や説明責任が果たされているのかが疑問で、対象となっている事業者が指名停止となっていることを大前提に置くべきではないか」と指摘しています。
そのうえで、「今回の契約が適正であったのかどうかを第三者の目も含めて検証することが必要だ」としています。