新潟 佐渡 約60年前のトキのヒナ捕獲の様子収めた貴重映像

60年近く前、新潟県佐渡市の山中で国が野生のトキの繁殖を目的にヒナを捕獲する様子を収めた8ミリフィルムが残されていたことがわかり、専門家は今後の研究における貴重な映像資料になるとしています。

8ミリフィルムは「佐渡トキ保護センター」に獣医師として30年余り勤め、いまもトキの飼育に関わる金子良則さん(66)が市内の自宅に保管していて、このほど取材で詳細が明かされました。
金子さんは映像を撮影したトキの保護活動をしていた人から25年ほど前に、このフィルムを預かったということです。
フィルムにはモノクロとカラーの映像が13分30秒ほど収録され、付いていたメモには撮影日が1967年6月2日と記録されています。
映像ではその後日本で絶滅することになる野生のトキを繁殖する目的で、山道を進む国の捕獲隊や巣の中の元気なヒナ、それに網でヒナを捕獲する様子が写されています。
金子さんによりますと、当時、日本の野生のトキは10羽のみとなり、国はいまの佐渡市に保護施設を設け、繁殖や飼育を進めようとしていてこのとき捕獲した2羽が施設で飼育されたということです。
今回、フィルムの映像を初めて見たという金子さんは「昔のトキはすごい山奥で営巣していたということが初めて分かりました」と話していました。
トキの生態に詳しい新潟大学佐渡自然共生科学センター長の永田尚志教授は「当時のヒナの捕獲の様子が映像に残っていたことは非常に驚きで新鮮です。非常に貴重で今後の研究のためにアーカイブ化することが重要です」と話していました。