津波注意報解除 成田空港 台湾に向かう便の乗客から心配の声

3日午前、台湾付近を震源とする大きな地震があり、気象庁は沖縄県の宮古島・八重山地方と沖縄本島地方に発表していた津波注意報を正午にすべて解除しました。
気象庁は今後しばらくは多少の潮位の変化が続くと考えられるため、海に近づく際は十分気をつけるよう呼びかけています。
成田空港の出発ロビーではこれから台湾に向かおうとする乗客から影響を心配する声などが聞かれました。

台湾から旅行で日本を訪れていた女性は「空港に向かうバスの中で地震のことを知りました。すぐに台湾にいる母親に電話して、無事を確認しました。飛行機は予定通り飛ぶようなので、早く帰りたい」と話しました。
建物が崩れるなどの被害が出ている台湾東部の花蓮県在住で日本を訪れていた男性は「私の家は大丈夫でしたが、ショックです」と話していました。
また、友人と春休みを利用して台湾旅行を計画していた大学生は「空港に向かっている途中で地震のことを知りました。余震なども怖いのでキャンセルしました。残念ですが、現地で地震にあうよりは良かったと思います」と話していました。

日本時間の3日午前に起きた台湾東部沖を震源とする地震について日本に住む台湾出身の人からも心配する声があがっています。
都内で現地の情報を届ける新聞を作っている台湾出身の男性は「すぐに現地に行って何かできるわけではないので在日の台湾の人に現地のことを伝えることが今の使命です」と話しています。
台湾北部、新北市出身で6年前に来日した黄揚竣さん(31)は日本に住む台湾出身の人向けの「台湾新聞」で編集長を務めています。
3日朝、東京・池袋にある会社に出勤して見たニュースで地震を知ったということで、台湾にいる自身の家族や実家などに被害はありませんでした。
黄編集長のもとには台湾出身の人たちから心配する声がいくつも届いていて、現地で起きていることを少しでも早く伝えたいと知り合いなどに連絡をとって被害情報などの取材を続けています。
午後2時ごろには震源地に近い花蓮市で働く友人の女性にオンラインで連絡を取り発災時の状況や被害の程度などを聞いていました。
そして、その内容を記事にしていち早くインターネットで発信しました。
日本語や英語で伝えられるニュースでは正確に理解できない台湾出身者も少なくないということで黄編集長は「現地ではいまも余震が50回以上続いているので心配です。すぐに現地に行って何かできるわけではないので在日の台湾の人に現地のことを伝えることが今の使命です」と話していました。

日本に住む台湾出身の人向けの新聞「台湾新聞」の黄揚竣編集長は震源地に近い花蓮市で働く友人の女性に連絡を取って現地の様子を取材していました。
このなかで女性は、地震発生時の状況について、「けさの8時ごろ、仕事の関係で駅にいたときに地震が起きました。この地域は地震が多いのでいつもと同じような地震かと思いましたが、どんどん揺れが大きくなって立っていられないほどで地面に身を伏せました」と話していました。
また、市内の被害の状況については、「地震で駅の壁の一部が剥がれ落ち、花蓮市内ではビルが崩れたり、地滑りがおきたりしています。電気や水道が止まるなどインフラにも影響が出ているとこもあり、仕事や学校を休止するという情報も出ている」と説明していました。
そのうえで、「私はけがをすることもなく無事でしたが、いまでも何度も余震が続いていているのでとても緊張しています」と不安を口にしていました。