“PCR検査で不正に補助金受け取り”埼玉県9億円余返還命令

埼玉県は新型コロナウイルスの無料のPCR検査で3つの事業者が虚偽の報告など不正な手段で補助金を受け取ったとして、あわせて9億6000万円余りの返還命令を行いました。

埼玉県は29日会見を開き、令和3年12月から去年3月までに行われた無料のPCR検査で、3つの事業者が補助金を不正に受け取っていたと発表しました。
このうち新宿区の「メディトランセ」は、同じ名前の人が同じ日に複数回検査を受けたことにするなどの不正があったとして、県は交付の取り消しとともに補助金として交付した8億6000万円余りの返還を求めています。
県によりますと、別の2つの事業者とあわせると不正な補助金の請求額はあわせて9億6000万円余りに上っていて、県はこの3つの事業者について補助金の交付決定を取り消すとともに、返還を求める命令を出しました。
埼玉県感染症対策課の山口隆司課長は「不正な手段を用いており、非常に残念です。事業者に対して厳正に対処していきたい」と話していました。
「メディトランセ」はNHKの取材に対して、「取引先の企業が勝手に弊社の名前を使って事業を行っていたもので、私たちは補助金の申請や実績報告などの書類も作っていない。すでに警視庁にも相談している」とコメントしています。