利根導水路 首都直下地震に備えた耐震補強工事完了

利根川水系から東京や埼玉、群馬に水を供給している「利根導水路」で、首都直下地震に備えて行われてきた耐震補強工事が完了しました。

「利根導水路」は、利根川水系の水を東京や埼玉、群馬に送るため設けられている取水ぜきや水路などの施設で、およそ1670万人分の水道用水や、農業用水、工業用水などを供給しています。
導水路を管理する独立行政法人「水資源機構」は首都直下地震に備え9年前の平成27年から総事業費およそ297億円をかけて、利根川から取水する「利根大堰」や荒川にある「秋ヶ瀬取水堰」などの主要施設で耐震補強工事を進めてきました。
このうち埼玉県行田市にある「利根大堰」では、ゲートを支える柱などで鉄筋の数を増やしたり、コンクリートにモルタルを吹き付けたりして、強度を高めたということです。
一連の工事は今月完了し、水資源機構によりますと、震度6強の揺れでも水の安定供給に支障が出ないようになったということです。
水資源機構利根導水総合事業所設計工務課の江森直人課長は「首都圏の重要なライフラインとして水の安定供給に努めていきたい」と話しています。