「トケマッチ」元代表らのパスポート返納命令を要請 警察庁

高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」の運営会社に預けられていた腕時計が無断で売却された事件で、海外に出国した会社の元代表らについて、警察庁がパスポートの返納命令を出すよう外務省に要請したことが捜査関係者への取材でわかりました。
今後、国際手配する方針です。

高級腕時計の持ち主と、借りて使いたい人のシェアリングサービスをうたう「トケマッチ」をめぐっては、運営会社がことし1月末に突然、解散を発表し、多数の腕時計が返却されないままになっています。
解散発表当日にドバイに向けて出国したとみられる会社の元代表、福原敬済容疑者(42)と元社員の永田大輔容疑者(38)について、警視庁は、客から預かった「ロレックス」を古物商に売却していたとして業務上横領の疑いで逮捕状を取っています。
捜査関係者によりますと、2人について、警察庁はパスポートの返納命令を出すよう外務省に要請したということです。
外務省が返納命令を出した場合、一定期間を過ぎるとパスポートは失効し、滞在ビザを延長したり、別の国に出国したりすることができなくなります。
警視庁は所在の確認を進めるとともに、今後、ICPO=国際刑事警察機構を通じて、国際手配することにしています。

一方、「トケマッチ」の被害者でつくる会のメンバーは、速やかな捜査を求める上申書を警視庁に提出しました。
容疑者2人を早期に逮捕することや、全国の警察で被害届を受理して捜査を行うこと、また、オークションサイトなどに出品されている被害品の確認などを求めたということです。
提出した30代の男性は「被害に遭ったメンバーが190人くらいいるが、預けた時計や被害金が少しでも返ってくることを願っています。早く逮捕されることを求めたい」と話していました。