女性視点の防災考える講演会 山梨 甲府

女性と防災について考える講演会が甲府市で開かれ、東日本大震災を経験したNPOの女性が避難所での授乳スペースや生理用品の確保などに課題があったなどとして、女性の視点を取り入れる重要性を訴えました。

甲府市などが開いた講演会にはおよそ270人が参加し、宮城県のNPO法人「イコールネット仙台」の宗片恵美子さんが東日本大震災で女性への支援活動や調査を行った経験を語りました。
当時は避難所に仕切りがなく、授乳や着替えをするスペースがなかったほか、生理用品や下着など女性に必要な物資が届かなかったということで、宗片さんは「避難所の運営リーダーは男性が多く、女性の声が届きにくい状況があった」と指摘しました。
NPOでは避難所運営などについて学ぶ講座を開き、高齢者や障害のある人などあらゆる立場の人に配慮して地域防災を担う「女性防災リーダー」を育てる活動を行っていることを紹介し、能登半島地震など大きな災害が繰り返し起きる中で女性が加わって地域を守る必要性を訴えていました。
参加した70代の女性は「防災リーダーに、興味を持ちました。女性の立場で防災を真剣に考えていきたいと感じました」と話していました。
宗片恵美子さんは「災害が起きたから突然、みんなで協力するということはできません。平時から男性、女性が一緒に防災や減災の取り組みをしっかりと進めていくことが必要だ」と話していました。