栃木 那須町 雪崩8人死亡事故 引率教諭3人に禁錮4年求刑

7年前、栃木県那須町で部活動での登山の訓練中に高校生などが雪崩に巻き込まれ8人が死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている教諭ら3人の裁判で、検察は「漫然と訓練を行っており過失は重大だ」として禁錮4年を求刑しました。
一方、弁護側は「雪崩の発生は予見できなかった」として無罪を主張しました。

平成29年3月、那須町の茶臼岳で高校の山岳部が集まって歩行訓練をしていたところ雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人のあわせて8人が死亡し多くの生徒がけがをしました。
この事故で生徒の引率などにあたった猪瀬修一被告(57)、菅又久雄被告(55)、渡辺浩典被告(61)の教諭ら3人が業務上過失致死傷の罪に問われています。
29日宇都宮地方裁判所で開かれた裁判で、検察は、冬山登山の知識や経験があった3人なら雪崩の発生は予見できたとして「必要な気象情報などを収集していれば事故を防ぐことができたのは明らかで、漠然と訓練を行った3人の過失は重大だ」などとしていずれに対しても禁錮4年を求刑しました。
一方、弁護側は「必要な情報収集はし訓練についても安全な範囲を定めていた。雪崩の発生は予見できなかった」として無罪を主張しました。
判決はことし5月30日に言い渡されます。

7年前の事故で高校1年生だった長男を亡くした奥勝さんは29日の裁判のあと報道陣の取材に応じ、「事故から7年近くがたち、ようやくここに至ったかという思いだ。遺族の思いをくんだ最大限の求刑を出していただいたと思う」と話しました。
そのうえで、「この裁判の判決が今後の学校事故の防止になる、教訓となる判決を望みます」と話しました。
また、教員だった長男を亡くした毛塚辰幸さんは「遺族は事故直後から責任の所在を明らかにし、償ってほしいと訴えてきた。3人に刑がくだることで、それが今後の学校安全の礎となってほしい」と話しました。