「火傷病」受け 全国に梨の国産花粉供給へ 千葉 市川のJA

「火傷病」と呼ばれる梨の木などの病気が中国で発生し、花粉の輸入が停止されていることから、日本有数の梨の産地である千葉県市川市のJAは花粉の生産に乗り出し、全国の農家に供給することになりました。

「火傷病」は、梨やりんごの果樹の枝や葉が枯れてしまう病気で、中国で発生していたことが明らかになり、国は国内への感染拡大を防ぐため、去年8月から中国から花粉や苗木の輸入を停止する措置を取っています。
中国産の花粉は、千葉県内の梨農家のうち7割ほどが購入しているなど、全国の多くの農家が毎年春に行う人工授粉で利用していて、花粉の不足が懸念されています。
市川市にある「JAいちかわ」は26日記者会見を開き、県などと協力して花粉を採取して生産に乗り出し、全国の農家向けに販売すると発表しました。
それによりますと、梨の花粉を採取する専用の機器を調達するほか、花粉採取のための農園を整備するなどして、3年後をメドに国内で花粉を供給できる体制を整えたいとしています。
JAいちかわの今野博之代表理事組合長は「花粉不足で困っている農家が多いと聞くので、安心で安全な花粉を全国に提供し、ビジネスとしても事業を進めていきたい」と話しています。