かっぱ寿司運営会社に罰金3000万円の判決 データ不正使用

かっぱ寿司運営会社に罰金3000万円の判決 データ不正使用

回転ずしチェーン、「かっぱ寿司」の運営会社がライバルチェーン「はま寿司」の営業秘密にあたるデータを不正に使用したなどとして不正競争防止法違反の罪に問われた裁判で、東京地方裁判所は「公正な競争を阻害し、はま寿司への賠償もしていない」として会社に罰金3000万円の判決を言い渡しました。

「かっぱ寿司」の運営会社のカッパ・クリエイトと、商品本部商品部長だった大友英昭被告(44)は、田邊公己前社長がライバルチェーンの「はま寿司」の親会社から持ち出した仕入れに関するデータを社内で共有し、自社のデータと比較して使用したなどとして不正競争防止法違反の罪に問われました。
これまでの裁判で会社と元部長は「データは営業秘密に当たらず、不正に利益を得る目的はなかった」などとしていずれも無罪を主張していました。
26日の判決で東京地方裁判所の島戸純裁判長は「データは営業秘密に当たり、『はま寿司』が取引先を開拓して交渉してきた成果だった。元商品部長は商品開発の検討などをするためデータを使用していて、不正の目的はあった」と指摘しました。
そのうえで、「公正な競争を阻害し、はま寿司への賠償などもしていない。会社の事業規模などを考えると刑事責任は見過ごせない」として、カッパ・クリエイトに罰金3000万円、大友元部長に懲役2年6か月、執行猶予4年、罰金100万円をそれぞれ言い渡しました。
この事件で、データを持ち出した田邊前社長は懲役3年、執行猶予4年、罰金200万円の有罪が確定しています。

26日の判決について「はま寿司」の親会社ゼンショーホールディングスは「極めて妥当な判決であり、カッパ・クリエイトは真摯に受け止めていただきたい」などとコメントしています。
ゼンショーホールディングスは、損害金は63億円以上だとしていて、「はま寿司」はその一部の5億円の賠償や持ち出した営業秘密の廃棄などをカッパ・クリエイトなどに求める裁判を東京地方裁判所に起こしています。

判決についてカッパ・クリエイトは「判決内容を精査し、対応を検討いたします」とコメントしています。