柏崎刈羽原発 避難計画など説明会 実効性問う声相次ぐ 新潟

再稼働をめぐる議論が続く東京電力柏崎刈羽原子力発電所について、事故が起きた場合を想定した避難計画などの説明会が新潟県で開かれ、県内の自治体からは、能登半島地震を受け、地震などとの複合災害の際の実効性を問う声が相次ぎました。

長岡市で開かれた説明会には、新潟県内の市町村長が参加し、国側からは原子力規制庁や原発事故の避難計画を所管する内閣府などの担当者が出席しました。
この中で、内閣府の担当者は、原発で重大な事故が起きた際、半径5キロ以内の住民は、原則、直ちに避難するとされているものの、新潟県で問題となる大雪との複合災害の際は、天候が回復するまで屋内退避を優先することを想定しているなどと説明しました。
このあとの意見交換で、自治体側からは、能登半島地震で道路の寸断や建物の倒壊が相次いだことから、複合災害の際の避難計画の実効性を問う声が相次ぎました。
このうち、長岡市の磯田達伸市長は、「地震や雪による家屋の倒壊を想定すると、屋内退避は現実的なのか」と質問し、内閣府の担当者は、「家屋が倒壊した場合は避難所に移動して屋内退避を続けてほしい」などと答えていました。
柏崎刈羽原発の再稼働をめぐっては、地元の同意が焦点となってますが、新潟県の花角知事は能登半島地震を受けた国による対策の検討を注視する姿勢を示しています。

説明会のあと、能登半島地震で住宅などに大きな被害が出た新潟市の中原八一市長は、「柏崎刈羽原子力発電所で重大な事故が起きた場合、新潟市では長岡市から避難してくる人を受け入れることになるが、自分の自治体が被災する中で受け入れられるのか、能登半島地震を受けて改めて疑問に感じた。23日の国の説明を聞いても検討が不十分な点があると感じていて、国は議論を深めてほしい」と話していました。
また、市内の一部が柏崎刈羽原発から半径30キロ以内に入っている長岡市の礒田達伸市長は、「能登半島地震を受けて、現状の計画では避難が難しいことが明らかになってきたと思う。国の方でしっかり検討してほしい」と話していました。