二松学舎大 前学長が36年前の論文で盗用が認められたと発表

二松学舎大学は、前の学長が36年前に発表した論文について別の研究者の論文からの盗用が認められたと発表しました。

二松学舎大学では去年4月、中山政義前学長が書いたあわせて7点の著書や論文などに研究不正の疑いがあるという通報が寄せられました。
22日発表された学内の調査委員会による調査結果では、このうち1988年に発表したアメリカ会社法などに関する論文の6か所について、別の研究者の論文にあった独自の解釈や考察に基づく記述をそのまま記載し、該当箇所が、自身による元になった論文の翻訳であると誤認させかねない記述となっているなどとして盗用が認定されたとしています。
調査委員会は「真摯に研究活動に取り組むほかの研究者への影響を考えると許されるものではない」としていますが、悪質性は低いと評価しています。
調査に対し、前学長は、別の論文を参考にしたことを認め、当時、論文作成や研究内容についての知識が足りなかったなどと説明したということです。
前学長は、今回の調査開始を受けて去年9月に辞任しています。
大学は「このような不正行為が行われたことは誠に遺憾で、研究機関としての信頼の回復を目指し、研究倫理の徹底と再発防止に努めてまいります」とコメントし、今後、処分を決めることにしています。