小澤征爾さん死去 ゆかりの長野 松本や茨城 水戸では悼む声

世界的な指揮者で戦後日本のクラシック音楽界をけん引した小澤征爾さんが亡くなったことを受けて、小澤さんとゆかりの深い長野県松本市や水戸市では悼む声が聞かれました。

小澤さんは1992年から長野県松本市で「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」の総監督を務め、世界的な水準のオーケストラによるコンサートやオペラを上演したほか子どもたちや市民との交流も続けてきました。
音楽祭は「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」と名前を変えましたが、音楽祭が始まったころから20年近くにわたり、数百人のボランティアをまとめてきた青山織人さんは、「いつかは来ると思っていたが、失ったものは大きい。『世界のオザワ』と言うけれど気さくで分け隔て無く、ボランティアにも声をかけてくれていた。何十万人の子どもの音楽の世界にいい影響を与えてくれた。感謝しかないです」と話していました。
また、小澤さんは水戸市の水戸芸術館の館長と、施設専属の水戸室内管弦楽団の総監督も務めてきました。
演奏会のあと、楽団のメンバーと一緒によく訪れていたという水戸市大町にある飲食店の店主、黒澤千里さんは「懐が深く、誰とでも仲良くなれる人でした。店にいるとき、小澤さんはメンバーを大切にしていて、皆でリラックスした様子でした。店に最後に訪れたのは8年ほど前で、少しやつれていたので心配していました。亡くなったと聞いてとても残念です」と話していました。