漫画家 芦原妃名子さん死亡で小学館が調査進めていると表明

漫画家 芦原妃名子さん死亡で小学館が調査進めていると表明

テレビドラマにもなった人気漫画、『セクシー田中さん』の作者で漫画家の芦原妃名子さんが、ドラマの脚本をめぐり、制作側と見解の違いが生じていたことを先月明かした後、死亡したことを受け、作品を連載する小学館が調査を進めていることをホームページで明らかにしました。

去年、日本テレビでドラマ化された人気漫画『セクシー田中さん』の作者、芦原妃名子さんは、ドラマの脚本をめぐって、制作側と一時、見解の違いが生じていたことを先月、自身のSNSの投稿などで明かしたあと、栃木県内で死亡しているのが見つかりました。
これを受け、作品を連載する小学館は8日ホームページにコメントを発表しました。
この中では、「映像化については、芦原先生のご要望を担当グループがドラマ制作サイドに、誠実、忠実に伝え、制作されました」としたうえで、今回のような事態となったことは痛恨の極みだとして、調査を進め、再発防止に努めると明らかにしました。
一方、ドラマの脚本を担当した相沢友子さんが、8日自身のSNSにコメントを投稿しました。
この中では、芦原さんが明らかにした経緯について、「初めて聞くことばかりで、それを読んで言葉を失いました。訃報を受けた時には頭が真っ白になりました」などとしています。
また、以前、自身がSNSにドラマの脚本に関するコメントを投稿したことについて「慎重になるべきだった」と述べています。
そして、「事実が分からない中、今私が言えるのはこれだけですが、今後このようなことが繰り返されないよう、切に願います。お悔やみの言葉が遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。芦原妃名子先生のご冥福をお祈りいたします」と結んでいます。

小学館はホームページに、漫画『セクシー田中さん』の連載を担当する部署の編集者による声明をあわせて掲載しました。
編集者一同とした声明では、「芦原先生は、皆様が作品を読んでご想像されるとおり、とても誠実で優しい方でした。そして、常にフェアな方でもありました」と、芦原さんの人柄に触れています。
そのうえで、「守られるべき権利を守りたいと声を上げることに、勇気が必要な状況であってはならない。私たち編集者がついていながら、このようなことを感じさせたことが悔やまれてなりません」などとしています。
そして、「他に原因はなかったか。私たちにもっと出来たことはなかったか。個人に責任を負わせるのではなく、組織として今回の検証を引き続き行って参ります。そして今後の映像化において、原作者をお守りすることを第一として、ドラマ制作サイドと編集部の交渉の形を具体的に是正できる部分はないか、よりよい形を提案していきます」と、対策を考え続けるとしています。

不安や悩みを抱える人の相談窓口は、厚生労働省のホームページなどで紹介しています。
インターネットで「まもろうよこころ」で検索することもできます。
URLは、「https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/」です。
電話での主な相談窓口は「よりそいホットライン」が0120−279−338、「こころの健康相談統一ダイヤル」が0570−064−556となっています。