群馬 伊勢崎 犬にかまれ12人けが 飼い主“申し訳ない”

7日、群馬県伊勢崎市で小学生9人を含むあわせて12人が犬に次々とかまれけがをしましたが、この犬の飼い主が取材に応じ、「逃げ出さないようにしていたつもりだった。本当に申し訳なく思っている」と述べ、謝罪しました。

7日午後4時すぎ、伊勢崎市田中島町にある2か所の公園の付近で、7歳から63歳までの小学生9人と大人3人のあわせて12人が体長が1メートル30センチほどある中型の四国犬に足などをかまれてけがをしました。
11人は軽傷で、もう1人もけがの程度は確認中ですが、命に別状はないということです。
犬はその後、現場の近くで捕獲され、動物愛護センターで保護されました。
8日、犬を飼育していた60代の男性が自宅でインターフォン越しに取材に応じ、「犬は塀がある庭などで管理していて、逃げ出さないようにしていたつもりだった。どこから逃げたかわからず、これまで人などにかみつくようなこともなかった」と話しました。
そのうえで、けがをさせたことについては「本当に申し訳なく思っている」と述べ、謝罪しました。
また、自宅では四国犬をあわせて7頭飼っているということで、飼い主は「今以上に厳重に対策をとっていきたい」と話していました。
警察は過失傷害の疑いなども視野に入れ、当時の状況を詳しく調べています。

現場は伊勢崎市役所から西におよそ3キロ離れた住宅街にある2か所の公園の付近です。
最初は伊勢崎市田中島町にある西部中央公園の付近で、小学生4人と大人2人のあわせて6人が犬にかまれ、このうち、46歳の男性が病院に搬送されました。
また、この公園の近くでは人だけでなく、別の犬を襲っている場面を目撃した人もいます。
人をかんだとみられる犬を目撃した中学生(13)は「犬は、60代くらいの男性が散歩させている小型犬にかみついていた。男性は蹴って、追い払おうとしていた」と話しています。
その後、この公園から西に200メートル余り離れた田尻公園の付近でも小学生5人と大人1人が足をかまれるなどして、このうち、小学生4人が病院に搬送されました。
2か所で襲われたのはあわせて12人にのぼり、このうち11人は軽傷で、もう1人もけがの程度は確認中ですが命に別状はないということです。

現場となった住宅街では、人をかんだとみられる犬が女の子を追いかける様子を目撃した女性がいました。
7日午後4時すぎに現場近くを車で通ったという30代の女性は「女の子が全力で走っている様子で、犬はその子の1メートルほど後ろまで近づき、追いかけていました。助けを求める叫び声なども聞こえず、女の子は飼い犬と遊んでいるのかと勘違いしてそのまま通り過ぎてしまった。結果的に助けてあげられず後悔しています」と話していました。
その後、捕獲された犬がケージに入れられている様子も目撃したということで、「犬は特に抵抗したり暴れたりする様子もなく、おとなしくしていました」と話していました。

現場近くに住む70代の男性は「近所では犬がかみついたという話は過去にも聞いたことがない。どういう状況で飼育されていたのか気になります」と話していました。

公益社団法人の日本犬保存会によりますと今回、12人にけがをさせた四国犬は動作が速く野生的なことが主な特徴だということです。
日本犬保存会によりますと、四国犬は高知県を中心とした四国が原産の犬種で、1937年に国の天然記念物に指定されています。
特徴は、動作が速く野生的なことで、飼い主に対する忠誠心は強いということです。
四国犬を含む日本犬はイヌの祖先のオオカミに近い犬種で、かつて狩猟犬としても活用されていました。
四国犬は成長すると標準的には、体長がおよそ70センチ、体重が20キロほどになるということですが、今回、けがをさせた四国犬の体長は、これを上回る1メートル30センチほどありました。