東京 世田谷区 預けられた保育施設で生後4か月乳児死亡

去年12月、東京・世田谷区にある認可外の保育施設に預けられていた生後4か月の乳児が死亡したことを区が明らかにしました。

これは7日開かれた世田谷区議会の特別委員会で報告されました。
区などによりますと、去年12月13日、世田谷区にある認可外の保育施設に預けられていた生後4か月の乳児が病院に搬送されたあと死亡が確認されました。
当時、施設には施設長と臨時職員2人のあわせて3人が勤務していて、午後1時20分ごろに授乳したあと、職員が布団に寝かせたということです。
そして、午後3時15分ごろに異変に気づき、病院に搬送しましたが死亡が確認されました。
区は原因は現時点で特定出来ていないとしたうえで、複数回にわたって行った立ち入り調査の結果を明らかにしました。
それによりますと、施設では授乳後にゲップをさせるなどの処置が十分に行われておらず、うつぶせで寝かせることがあり、窒息や乳幼児突然死症候群への配慮が不十分で、睡眠中の子どもの顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察していなかったということです。
さらに保育士の資格がある施設長が当時、一時的に施設を離れて資格がない職員のみが従事するなど安全への意識が極めて低かったなどとして施設に改善するよう指導しました。
区は今後、専門家で作る検証委員会を設置して事故の起きた背景や再発防止策などを検討することにしています。

生後4か月の乳児が死亡した世田谷区にある認可外保育施設の施設長はNHKの取材に対し、「信頼して預けていただいたのにこのようなことになってしまい本当におわびの言葉もありません」と話しています。
施設長は当時の状況について、外出先から戻ってきたところ、職員から乳児の顔色が悪いと聞かされ、息をしていないように見えたため119番通報したということです。
そのうえで「横向きか、うつぶせかで寝ていたと思う。たぶんうつぶせだったと思う」と説明しています。
うつぶせで寝させることについては、リスクがあると認識していたものの、あおむけでは寝ない子もいるため職員がうつぶせで寝かせることを容認していたと話しています。
事故の防止について「十分な教育や研修を行えていなかった」と述べたうえで、乳児が死亡したことについては「信頼して預けていただいたのにこのようなことになってしまい本当におわびの言葉もありません」と話しています。

東京・世田谷区にある認可外の保育施設で生後4か月の子どもが死亡した両親が会見を開き、「不適切な保育による窒息死で、十分な調査をして、二度とこのような事故が起こらないようにしてほしい」と訴えました。

死亡した乳児の両親と祖父は、弁護士とともに7日午後、会見を開きました。
それによりますと、亡くなったのは生後4か月の男の子「真渚己ちゃん」で、施設側に当時の状況を聞いた際、職員が「乳児を布団にうつぶせに置いた」と説明していたと明らかにしました。
世田谷区が当初、遺族に対し「睡眠中の事故」と説明したことについては、「うつ伏せ状態での事故で、睡眠中だったとは確認されていない。不適切な保育による窒息死だと考えている」としたうえで、区の報告は不十分で、十分な調査による原因の究明を強く望むと述べました。
両親は「真渚己は、私たちにとってかけがえのない愛おしい存在です。これからどんな子に育つのかと明るい未来しか想像しておらず本人の無念を思うと悲しくてたまりません。事故の経緯を明らかにして二度とこのようなことが起こらないようにしてほしい」と訴えました。

真渚己ちゃんが死亡した今回のケースについて、警視庁は施設側の安全管理に問題がなかったのかどうかなど、業務上過失致死の疑いを視野に当時の詳しい状況を調べることにしています。